WordPress に HTML サイトマップ生成機能はないので、もし設置したいなら自力で作成しなければならない。専門知識がなくても簡単に自動生成できるプラグインの利用がおすすめだ。
「PS Auto Sitemap」というプラグインが有名だが、現在(2022 年 12 月時点)は公式ディレクトリから削除されているので別のプラグインをおすすめする。
ブロックエディターであればプラグイン不要で簡易的なサイトマップページをすぐ作れるので、その方法も合わせて見ていこう。
目次
「HTML サイトマップ」と「XML サイトマップ」の違い
HTML サイトマップとは、ユーザー(人間)のためのナビゲーションページのこと。全記事一覧を 1 ページで表示するタイプが多く見られる。
記事数があまりに多いなら、記事一覧ではなくカテゴリ一覧のほうがよいかもしれない。もし 1,000 記事ものリンクが並んでいたら、ページが長すぎてだれもそこから記事を探すことはしないからだ。
HTML サイトマップのほかに、検索エンジンが見る「XML サイトマップ」と呼ばれるものもある。本記事では、ユーザー用の HTML サイトマップについて解説しているので、混同しないよう注意してほしい。
タイプ | 対象 | 概要 |
---|---|---|
HTML サイトマップ | ユーザー(人間) | WordPress 本体に生成機能はない。プラグインやブロックを使って、固定ページで作成する。 |
XML サイトマップ | 検索エンジン(bot) | WordPress 本体に生成機能がある。細かいコントロールが必要ならプラグインを使う。 |
HTML サイトマップ用プラグイン 4 選
本記事で紹介する HTML サイトマップ用プラグインは、WordPress 6.0.3 以降に対応しているものだけ選んでいる。
公式ディレクトリには、長年更新されていない古いプラグインが多数ある。WordPress 最新バージョンでは正常に動作しない可能性があり、セキュリティ面でもリスクがあるので、きちんと更新されているものを使おう。
テストは以下の環境で行った。
- WordPress 6.1.1
- 無料テーマ「GeneratePress」
- ダミーデータに「テーマユニットテストデータ日本語版」を使用
- 固定ページでサイトマップを作成
テーマによっては表示崩れが起きるかもしれないので、実際に試してみてほしい。
WP Sitemap Page
「WP Sitemap Page」は、ショートコードを使う昔ながらのタイプ。好みのデザインにするなら HTML や CSS の知識が必要になるため、初心者にはあまり向かない。
設定画面で HTML 出力形式を設定できるほか、パラメーターで投稿タイプや並び順を指定できる。細かい指定が不要であれば、[wp_sitemap_page]
を入れるだけで OK。
デフォルトの表示は以下のとおり。

Sitemap by click5
「Sitemap by click5」もショートコードを使うタイプだが、設定はパラメーターを使わずすべて設定画面で行う。HTML に加えて XML サイトマップも生成可能だ。
任意のページをサイトマップに追加する「Custom URLs」機能があり、SNS などブログ外のリンクを追加できる。ブログの記事だけではなく、他の運営サービスも含めて掲載したいときに便利。
以下のサンプルは 2 カラム表示で設定したもの。

Simple Sitemap
「Simple Sitemap」は、ショートコードのほかに専用ブロックが用意されており、ブロックエディターを使っているなら投稿編集画面で確認しながら設定できる。
任意ページの除外やデザインの調整は、有料版でしか設定できない。固定ページと投稿一覧を表示するだけなら、無料版でもとくに問題ないだろう。
以下はタブ形式で設定したサンプル。

Rank Math SEO
「Rank Math SEO」は HTML サイトマップ専用ではなく、SEO 総合プラグインだ。2022 年 11 月リリースのバージョン 1.0.103 で HTML サイトマップ機能が追加された。
同プラグインで noindex にした記事は自動的にサイトマップから除外される、というのが最大の特長。noindex にしていない任意の投稿も設定画面で除外できる。XML サイトマップも含めて一元管理できるので便利だが、テーマに SEO 機能がある場合は干渉しないよう気をつけてほしい。
以下のサンプルは、公開日を非表示にしたもの。

プラグインを使わずサイトマップページを作成する方法
冒頭でも触れたように、記事数が多いブログで一覧表示するとサイトマップページがかなり長くなってしまう。
記事一覧は表示せず、カテゴリ一覧&ページ一覧のみのサイトマップにするなら、ブロックだけで十分だ。以下のように、「カテゴリー一覧」ブロックと「固定ページリスト」ブロックを使えばよい。

テーマによっては「記事一覧」ブロックなども用意されているから、組み合わせて使えばプラグイン不要でサイトマップページが作れる。
記事一覧が不要であれば、専用ブロックを使わず、「リスト」ブロックなどを使って手動で作成したほうがデザインを整えやすい。どんなページにしたいか、目的に合わせて最適な手段を選ぼう。
プラグインを使うかどうかに関わらず、カテゴリーが最適化されていないとサイトマップページを用意する意味が薄れてしまう。とくにカテゴリーとタグの使い分けがきちんとできていないブログが多いので、しっかり見直してほしい。
HTML サイトマップは必須なのか
全記事一覧を 1 ページで見られるサイトマップページは、「SEO に有利」とか「Google AdSense 審査で必須」と言っている人をたまに見かける。
それがどこから出てきたものかわからないが、サイトマップページを作ったから検索順位が上がることはないし、Google AdSense 審査に影響することもない。
ただしナビゲーションは整えたほうがよいので、以下の点をチェックしておこう。
WordPress なら、上記 3 点をクリアできていればまったく問題ない。サイトマップページがないとたどり着けないページがあるなら、そのほうが問題だ。
「サイトマップページを作るだけで何らかの効果がある」という考えは捨て、それがユーザーにとって必要かどうかで考えよう。SEO スターターガイドの記事も参考にして、ブログを改善していってほしい。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。
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