定期的に行われている WordPress バージョンアップは、以下の 2 種類がある。
- メジャーアップデート:新機能の追加など比較的大きな変更
- マイナーアップデート:不具合改善・セキュリティ強化など比較的小さな変更
このうちメジャーアップデートは注意が必要で、「ログインしたら画面がおかしくなっていた」「投稿編集画面が真っ白になっている」などトラブルの原因となりやすい。
2023 年 3 月 30 日に WordPress 6.2 日本語版が配信されています。本体をダウングレードして元に戻す場合は「6.1.1」を指定してください。
もしアップデート後に何らかの不具合が起きたなら、いったん一つ前のバージョンに戻してみてほしい。プラグイン「WP Downgrade | Specific Core Version」を使えば簡単だ。
目次
WP Downgrade でダウングレードする方法
01. バックアップファイル作成
WordPress 本体のファイルを変更するので、必ずバックアップファイルを作成しておこう。
「UpdraftPlus」などのプラグインを入れている場合は、ダウングレード作業直前に手動でバックアップしておくのが確実だ。サーバーにバックアップ機能がある場合、前日のバックアップが正常に行われているかも確認しておくとよい。
02. インストール・有効化
WordPress 管理画面「プラグイン – 新規追加」から、「WP Downgrade」を検索してインストール・有効化する。

有効化したら、「Settings」をクリックして設定画面に移動しよう。

03. 現在のバージョンを確認
設定画面に移動すると、「WP ダウングレード:停止中」という表示が出ている。プラグインがエラーで止まっているわけではなく、未設定状態を表しているのでこれで問題ない。
最初に、下図の赤枠部分で現在のバージョンを確認しておく。

04. ダウングレードするバージョンを指定
次に、ダウングレードするバージョンを「WordPress ターゲットバージョン」に入力する。
バージョンは正確に指定する必要があるので、公式サイトのリリース情報ページで確認しておこう。
今回は「6.1.1」から「6.0.3」に戻してみる。バージョンを入力し、「変更を保存」をクリック。

05. ダウングレード実行
「WP ダウングレード:稼働中」に切り替わったら、「本体(コア)のアップ / ダウングレード」をクリック。

更新画面に移動したら、そのまま「バージョン xxx を再インストール」をクリック。すぐインストールが実行されるので、次の画面に切り替わるまで何も操作しないよう注意しよう。

以下のとおり旧バージョンの画面が表示されたら完了だ。

「更新」画面でも、ダウングレード後のバージョンが表示されている。

WP Downgrade アンインストール時の注意点
「WP Downgrade」を有効化している間は指定したバージョンで固定されるため、自動アップデートが行われない。逆に、プラグインを無効化・削除すると自動アップデート機能が動いてしまう。

不具合が起きたときに一時的にダウングレードするのはよいが、セキュリティ面でのリスクがあるため、そのまま放置しておかないよう注意してほしい。
以下の状態にしておくのがおすすめだ。
- マイナーアップデートのみ自動で行われるようにしておく
- メジャーアップデートは、不具合報告をチェックしてから行う
自動アップデート設定変更
冒頭でもふれたように、WordPress のアップデートは「メジャーアップデート」と「マイナーアップデート」の 2 種類がある。
どちらが実施されるかは、バージョン番号で確認できる。
種類 | 数値変更箇所 | 例 |
---|---|---|
メジャーアップデート | 左から 1 つ目 or 2 つ目 | 5.9 → 6.0 6.0.3 → 6.1 |
マイナーアップデート | 左から 3 つ目 | 6.1 → 6.1.1 6.1.1 → 6.1.2 |
自動更新設定状況は、「ダッシュボード – 更新」を確認しよう。
メジャーアップデート・マイナーアップデート有効状態

「このサイトは WordPress の新しいバージョンごとに自動的に最新の状態に保たれます」
マイナーアップデートのみ有効状態

「このサイトは WordPress のメンテナンスリリースとセキュリティリリースのみで自動的に最新の状態に保たれます」
もしメジャー・マイナー両方が自動更新されるようになっていたら、「メンテナンスリリースとセキュリティリリースのみの自動更新に切り替えます」をクリックして切り替えておくとよい。

設定変更後、「WP Downgrade」を無効化&削除してかまわない。
メジャーアップデートへの対応
メジャーアップデート時は様々な不具合が発生しやすく、テーマやプラグインの組み合わせなどで症状はまちまちだ。
Twitter などで不具合報告をチェックし、問題なさそうなら手動でメジャーアップデートを実行しよう。使用しているテーマ・プラグインが最新バージョンに対応しているかも確認しておくとよい。
問題の有無がわからない場合は、次回のマイナーアップデートまで待つのもおすすめ(6.2 リリース後、6.2.1 リリースまで更新しない)。
WP Downgrade が動かない場合の対処法
環境によっては「WP Downgrade」が動かない場合がある。対処法は以下のとおり。
- 他のプラグインをすべて無効化する
- WordPress 標準テーマに切り替える
- wp-config.php 設定を見直す
他のプラグインをすべて無効化する
何らかのプラグインが WordPress アップデートを制御している場合があるので、「WP Downgrade」以外のプラグインをすべて停止しておこう。

WordPress 標準テーマに切り替える
プラグインではなく、テーマ側でアップデートを制御していることもある。テーマ設定画面があるなら確認し、見つからなければ一時的に標準テーマ(Twenty 系)に切り替えてみよう。

wp-config.php 設定を見直す
wp-config.php に以下のいずれかの記述があると動かないので削除しよう。
define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', false );
remove_action( 'init', 'wp_version_check' );
add_filter('pre_option_update_core','__return_null');
add_filter('pre_site_transient_update_core','__return_null');
WordPress のインストールやサイト制作をどこかに依頼していた場合、記述されていることがある。
WordPress ダウングレードまとめ
WordPress 本体のアップデートに関する注意点は以下のとおり。
- マイナーアップデートのみ自動更新するよう設定しておく
- メジャーアップデートは不具合報告をチェックしてから実行する
- もし自動メジャーアップデートでトラブルが起きたら「WP Downgrade」を使っていったんバージョンを元に戻す
自動アップデートに気づかず、「久しぶりにログインしたらエラーが起きていた」ということもある。たとえ画面が真っ白でも復旧する方法はあるから、落ち着いて対処しよう。
もし復旧が難しそうなら、遠慮なく相談してほしい。
プラグイン名 | WP Downgrade |
---|---|
価格 | 無料 |
公式ディレクトリ | https://ja.wordpress.org/plugins/wp-downgrade/ |
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。

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