ブログを始めてしばらくすると、「表示速度」が気になってくると思う。PageSpeed Insights のスコアが低いからと、高速化の方法を調べているかもしれない。

WordPress は自由度が高いぶん、知らないところで表示速度を低下させてしまうこともある。

完璧にチューニングするには専門知識を要するが、本記事で WordPress 初心者でも「できるだけ表示速度をアップする」方法を紹介していくので、少しずつ改善していこう。

初心者向け WordPress 高速化設定 10 選

WordPress には「ワンクリックでだれでも簡単にスピードアップ」という方法はない。

キャッシュ系プラグインの利用を勧めるサイトもあるが、エラーが出たり逆に遅くなったりするケースがとても多い。それこそ専門知識が要るので、安易にプラグインに頼らないようにしてほしい。

まずは表示速度が落ちてしまう原因を解決し、どうしても改善しないようであれば最後の手段としてキャッシュ系プラグインを使ってみよう。すでにプラグインを使っているなら、いったん OFF にすることを強くおすすめする。

#1 画像は必要最低限の大きさにする

表示速度に最も大きく影響するのは、画像のサイズ・容量だ。

スマホやデジカメで撮影した写真をそのままアップしたのか、「横 4000px・縦 3000px」などかなり大きな画像になっているブログをたまに見かける。表示サイズはテーマ側で調整してくれるので、運営者本人も気づいていないかもしれない。

適切な画像サイズは、テーマ(デザイン)によって変わる。とくに理由がなければ、記事本文の幅に合わせよう。記事本文の表示幅が 800px であれば「横 800px」の画像を用意すれば十分。

それより大きな画像をアップしたとき、見た目は 800px まで縮小して表示されるが、容量は変わらない。質量保存の法則と同じだ。

実例として、下の 2 枚の画像を比べてみよう。

ポメラニアン(サイズ800px)
横 800px(16.3KB)
ポメラニアン(サイズ2000px)
横 2000px(79.7KB)

どちらも見た目は変わらないのに、2 枚目の画像は 5 倍の容量となっている。1 枚ぐらいならまだしも、記事内すべての画像が不必要に大きいとそれだけ表示速度低下につながっていく。

サイドバーがある一般的なレイアウトなら、本文の幅は 1000px 以下になっているはずだ。最適なサイズがわからないときは、一応の目安にしてほしい。テーマで推奨サイズが指定されているなら、それに従おう。

ただし、アイキャッチにかぎっては最低でも「横 1200px」をおすすめする。Google Discover に掲載されたときのことを考えたサイズだ。

魅力的な高画質の画像、特に Discover からのアクセスが発生する可能性の高いサイズの大きい画像をコンテンツに含める。サイズの大きい画像は、幅を 1,200 ピクセル以上とし、max-image-preview:large の設定または AMP を使用して有効にする必要があります。

Discover にコンテンツを掲載する | Google 検索セントラル

#2 画像は圧縮軽量化してからアップロードする

画像を適正なサイズにしたあと、圧縮軽量化してからアップロードするとさらに表示が速くなる。

圧縮軽量化とは、簡単に言えば「見た目をほぼ変えずに容量だけ軽くする」仕組みのこと。無料で使える軽量化専用サービスがいくつかあるので、実際に試してみよう。

サービス特徴
TinyJPG20 枚までまとめてアップロード・圧縮できる
iLoveIMGDropbox などから直接アップロードできるほか、編集機能もある
Squoosh圧縮方法やレベルなど細かい調整ができる

どのサービスも圧縮後の容量にそれほど大きな違いはないから、使いやすいと感じたサービスを選べば OK。当サイトでは、おもに Squoosh を使っている。

先ほどのポメラニアンの画像も圧縮軽量化済みだ。圧縮しない場合は、以下のとおりサイズが同じでも容量が全然違う。

ポメラニアン(容量16.3KB)
容量 16.3KB
ポメラニアン(容量164KB)
容量 164KB

圧縮しても見た目が変わらないのに、容量が約 1/10 になっている。

WordPress には圧縮軽量化プラグインがいくつかあるから、手作業が面倒ならそちらに任せてしまうのもよい。どのプラグインもアップロードするだけで自動的に調整してくれるし、アップロード済み画像を一括最適化する機能も備わっている。

専用サービスのほうが性能は上だから、サービス+プラグインの二段構えが最もおすすめだ。

#3 画像を WebP 形式にする

画像にはいくつか形式があり、同じ画像でも形式を変えるだけで容量が変わってくる。下表のイメージで覚えておけばよいだろう。

形式特徴
JPEG写真に向いている形式。背景透過はできない。
PNGイラストやロゴに向いている形式。背景透過ができる。
GIFアニメーションでよく使われる形式。背景透過ができる。

これらの形式のいいとこどりをした、「WebP(ウェッピー)」という新しい規格が主流になりつつある。特徴は以下のとおりだ。

  • 従来の形式より軽い
  • 透過できる(アルファチャンネルを扱える)
  • アニメーションが使える

画像編集ツールが未対応の場合、先ほど紹介した画像圧縮軽量化サービス Squoosh で WebP 形式に変換できる。

SquooshでWebPに変換する
Squoosh で WebP に変換できる

WordPress の画像圧縮軽量化プラグインでも、WebP 形式への自動変換に対応しているものが増えてきた。よく使われている「EWWW Image Optimizer」もその一つ。

WebP に対応していないブラウザでは、アップロードした形式そのままで表示してくれる。

EWWW Image Optimizer 設定画面(WebP変換)
EWWW Image Optimizer 設定画面

すでにサポートが終了している Internet Explorer は、WebP に対応していない。まだ IE を使っているユーザーもいるため、プラグインに処理してもらったほうがよいだろう。

#4 不要なプラグインを削除する

画像のほかに表示速度に大きく影響するのは、JavaScript の読み込みだ。

WordPress テーマでも JavaScript は使われているが、表示速度に影響がないよう調整されている。PageSpeed Insights などで指摘されたのであれば、プラグインが影響していると考えてよい。

JavaScript を読み込む位置を強制的に変更したり、各ファイルを結合するようなプラグインもあり、高速化関連の記事でよく紹介されている。ただ、専門知識がなければテーマや他のプラグインの動作が不安定になることもある。

技術的な対応を考える前に、不要なプラグインを削除できないかチェックしてみよう。

「おすすめプラグイン◯選」のような記事を参考にインストールしたのであれば、おそらくまったく使っていないプラグインがある。

インストール済みのプラグインを一つずつチェックし、よくわからないものは削除するのがおすすめだ。

【定番】WordPress初心者におすすめの目的別厳選プラグイン

#5 不要なウィジェット・ブログパーツを削除する

サイドバーやフッターに不要なリンク・パーツはないだろうか。

Amazon や楽天の商品ウィジェット、ブログランキングパーツなど、外部サイトの情報を表示するものは速度が遅くなりやすい。まったくクリックされていないようなら外してしまおう。

とくにサイドバーはスマホユーザーにまったく見られていない可能性がある。

いったん全部外し、PV 数や収益に影響がないかチェックしてみよう。もし数値が悪くなるようなら元に戻せばよいだけだ。シンプルな構造にして出口を絞ったほうが良い結果が得られるかもしれない。

#6 テーマを変更する

不要なプラグイン・パーツの整理やその他の技術的な対応が難しい場合、テーマを変えてみるのがおすすめ。

高速化を考えて設計された秀逸なテーマはたくさんあり、テーマを変更しただけで表示速度が上がることも多い。

たとえば、Luxeritas Theme は日本製の無料テーマのなかで最速の部類に入る。プラグインなしで使える機能がたくさんあり、カスタマイザーから圧縮・最適化することもできる素晴らしいテーマだ。

Luxeritas カスタマイザー(圧縮・最適化)画面

有料テーマでは SWELL が群を抜いており、利用しているブログが増加している。

どんなに高速なテーマを使っていても、不必要に大きな画像を使っていたり、不要なプラグイン・パーツをたくさん使っていればテーマの持ち味を活かせない。各テーマの推奨設定・推奨プラグインに従って、テーマのポテンシャルを最大限に引き出そう。

#7 サーバーの高速化機能を使う

各レンタルサーバーには独自の高速化機能が用意されており、デフォルトで ON になっているものもある。

新たに高速化機能が追加された場合など設定が OFF になっているケースもあるため、利用中のサーバー管理画面を一度チェックしてみよう。

エックスサーバー 高速化設定
エックスサーバー 高速化設定項目

どの環境でも必ず速くなるわけではなく、使用しているテーマやプラグインとの相性がある。もし期待していたほどの効果がなければ切っておけばよいし、テーマ制作者などに事前確認できるならそのほうが確実だ。

#8 PHP バージョンを最新(推奨)にする

ブログを長年運営しているなら、PHP バージョンが古いままになっているかもしれない。

新しいバージョンのほうが高速だし、セキュリティ面でも安心だ。もしサーバーの推奨バージョンになっていなければ、この機会に変更しておこう。

エックスサーバー PHPバージョン切替
エックスサーバー PHP バージョン切替

何年も更新されていない古いテーマ・プラグインは、最新の PHP バージョンで動かないことがある。その場合は、対応しているテーマ・プラグインに切り替えよう。そのまま使っているとセキュリティ面でリスクが高くなってしまう。

ちなみに WordPress 6.1 の PHP 推奨バージョンは 7.4 以上となっている。

#9 サーバー(プラン)を変更する

月間 PV が数万ほどであれば、どのサーバーでも表示速度に大きな差はない。ただ、細かく見ればやはりそれなりの違いがある。

以下は、まったく同じ構成の WordPress を異なるサーバーに入れて同時刻に計測した数値だ。

サーバー応答時間(秒)
格安サーバー1.406
エックスサーバー0.562

一つのサーバーに複数の WordPress を入れていたり、ブログのアクセス数が瞬間的にでも増えてくると、格安サーバー(格安プラン)ではさらに動作が鈍くなる。

#1 ~ #8 までの対策をしても表示速度が遅いなら、上位プランへの変更やサーバー自体の変更を検討しよう。これから本腰を入れてブログ運営していくつもりなら、高速かつ安定しているサーバーをおすすめする。

エックスサーバー

#10 高速化プラグインを使う

WordPress には、「ファイル圧縮・結合」「キャッシュ」といった高速化プラグインが複数ある。

表示速度改善について書かれている記事を読むと、たいてい高速化プラグインの利用が推奨されているが、以下のようなデメリットもあるため最終手段と考えてほしい。

  • どの環境でも同じ結果になるとはかぎらない
  • プラグインを使って逆に遅くなるケースもある
  • サーバーによっては正常に動作しない
  • テーマや他のプラグインと干渉して正常に動作しないことがある
  • プラグインを外す手順を間違うとブログが表示されなくなることがある
  • 一部セキュリティソフトで弾かれることがある

プラグイン導入後に PageSpeed Insights のスコアは改善されたが表示は遅くなった気がする、というのはよく聞く話だ。高スコアだから表示が速いというわけではないから、覚えておいてほしい。

高速化プラグインを試すのであれば、テスト用の環境を用意するのがおすすめ。テスト環境を用意する方法がわからないなら、キャッシュ系プラグインは使わないほうがよい。下手すると数日間ブログが停止するから、慎重に実行しよう。

何をどうしても表示速度が改善しないのであれば、専門家に相談する手もある。それなりに値が張るので、費用対効果を考えるとサーバーを変えたほうが安いとは思う。格安で対応してくれるサービスだと、「ただプラグインを入れるだけ」で終わらせるところもあるから注意してほしい。

Webサイト表示速度検証ツール

ページの表示速度をチェックできるサービス・ツールを 4 つ紹介する。

なお、前述のとおり「高スコア=高速表示」とはかぎらない。スコアが低くても表示速度はまったく問題ないケースも多々あるため、あくまで参考程度にしておこう。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insights

GTmetrix

GTmetrix

Pingdom Website Speed Test

Pingdom Website Speed Test

Web担当者Forum版 ページ速度分析ツール

WordPress 高速化設定まとめ

本記事で紹介した WordPress 高速化に必要な施策は以下のとおり。

  • 画像最適化(サイズ / 容量 / WebP)
  • 不要なプラグインを削除
  • 不要なウィジェット・パーツを削除
  • テーマ変更
  • サーバー高速化機能を利用
  • PHP バージョン見直し
  • サーバー変更
  • 高速化プラグインを利用

繰り返しになるが、PageSpeed Insights で高スコアをとっても高速表示できているとはかぎらない。また、表示速度を上げるだけで検索順位が上がるわけでもない。

高速化を含め、あらゆる施策の目的は「ユーザーにストレスなく記事を読んでもらうため」だ。できるところから少しずつ改善して、よりよいブログにしていこう。