ブログ記事は「公開して検索上位に入れば安泰」というわけではない。検索順位は相対的に決まるものだから、放っておけばライバルブログに抜かされるかもしれないし、Google のアップデートで順位が大きく変わることもある。
ブログ全体のアクセス数が減少しているなら、新記事の公開だけではなく過去記事のメンテナンスも必要だ。定期的に見直してリライトし、品質を保つよう心がけよう。
本記事では、過去記事をリライト・修正するポイントを解説している。
ブログ初心者でもクオリティの高い記事を書く方法は、以下のページをご覧ください。
目次
過去記事をリライト・修正すべき理由
アクセス数の減少や検索順位の低下は、過去記事をリライト・修正するきっかけにすぎない。「SEO に効果があるから」ではなく、「ブログを読みにきてくれるユーザーのため」にリライトしよう。
過去記事修正に力を入れるべきかどうかは、運営スタイルも関係してくる。旬なトピックを中心にアクセスを集めているトレンドブログなら、過去記事の修正はそれほど重要ではない。需要が低下しているのだから、修正したところでアクセス数は変わらないだろう。
しかし、時季を問わない内容の記事(=エバーグリーンコンテンツ)であれば定期的にメンテナンスしたほうがよい。リンク切れや情報の劣化があると、ユーザーにとって役に立たない記事になってしまう。おのずと検索順位も下がっていくだろう。
WordPress で過去記事をリライトするときの注意点
WordPress は、公開済みの記事を編集するとき「下書きに戻す」か「更新」かの選択肢しかない。途中までリライトして下書き保存すると、公開済みの記事がそのまま下書きに戻ってしまう(ユーザーが読めなくなる)ので注意しよう。
まとまった時間がとれず少しずつリライトするなら、別記事としてコピーしておくか、外部エディターなどに保存しておくしかない。
プラグイン Yoast Duplicate Post の「書き換え&再公開」機能を使うと、この作業を一気に短縮できるのでぜひ試してみてほしい。
過去記事リライト・修正のチェックポイント
アクセス解析などのデータを活用して過去記事をリライトする方法もあるが、まずは現在の自分のレベルから見て足りていない点を修正してみよう。
その記事を書いた時点から見れば、今のあなたは確実に成長している。昔の記事を読み返すだけで、自分自身がレベルアップしたことに気づくはずだ。
一応の指標としてチェックポイントを解説していくので、照らし合わせながら進めてほしい。
記事タイトルの修正ポイント
- 記事タイトルにキーワードが入っているか/詰め込みすぎていないか
- 記事タイトルは特定のターゲットに向けられたものか
- 記事タイトルで読むメリットを伝えられているか
記事タイトルは、検索結果だけではなく、SNS シェアや記事一覧ページなど様々な場所で表示される。ユーザーは「記事タイトルを見てその記事を読むかどうかを判断する」ということだ。
SEO のことだけ考えてキーワードを詰め込んでいても、ユーザーにとって有益と思ってもらえなければ意味がない。
記事の主旨を伝えるキーワードを入れ、読者の興味をひくタイトルになっているかチェックしてみよう。たとえば、以下のような修正だ。
修正前(NG) | SEO で最も重要なのはコレだとわかった |
修正後(OK) | SEO で最も重要なのはタイトル!修正しただけで検索 1 位になった実例 |
修正前の記事タイトルは、「コレって何だろう」と興味をそそるタイトルに思えるかもしれない。しかし、具体性に欠けているし、そもそも “SEO コレ” で検索する人はいないはずだ。記事タイトルを目にしてもらう機会は激減すると考えてよい。
修正後の記事タイトルは、そこに何が書かれているのか具体的に表している。SEO に興味がある人はもちろん、タイトルを修正しようかどうか迷っている人は「自分にとって必要な情報がありそうだ」と思ってくれるはずだ。
記事タイトルを修正するだけで検索順位が向上するケースは多いので、最優先で見直してほしい。タイトルの付け方は以下の記事で詳細に解説している。
見出しの修正ポイント
- 見出しは設定されているか
- 見出しは順序が守られているか
- 見出しにキーワードは含まれているか
記事の見出しは、記事タイトルに次いで重要だ。
見出しを修正するときは、「タイトルと見出しだけで記事の内容を推測できるか」をもとに考えよう。そうすればキーワードも自然と入ってくる。
書店で本を購入するときのことをイメージするとわかりやすい。まず書籍名が目に入り、巻頭の目次を見て買うかどうかを判断すると思う。小説やエッセイは別にして、実用書であれば目次を見ただけで内容を推測できるはずだ。
書籍 | ブログ記事 |
---|---|
書籍名 | 記事タイトル |
各章のタイトル | 大見出し(H2) |
各章内の見出し | 中見出し(H3) |
見出しを正しく使うと、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても読みやすい記事になる。単なる文のつなぎやアクセントとして使うのではなく、わかりやすい構成にするための要素と覚えておこう。
見出しタグは <h2>
~ <h6>
を使うが、そこまで深くする必要はない。ほとんどの記事は <h2>
と <h3>
のみで十分だし、<h4>
まで使えばどんな記事でも対応できるだろう。
HTML では、見出しタグを使うと一つのセクション(かたまり)として扱われる。<h2>
の次に <h4>
を使うと構造が崩れてしまうため、順番を守って使おう。WordPress では、投稿編集画面の「詳細」ボタン( i マーク)で全体の構成を確認できる。

タグの順番が間違っていると、「見出しレベルに間違いがあります」と指摘される。

見出しの順番を間違えなければ検索評価が上がる、ということはない。それでも、ユーザー・検索エンジンともに読みやすい記事を目指すべきだ。
画像の修正ポイント
- 画像に適切な alt(代替テキスト)が設定されているか
- アイキャッチ画像は記事と関連しているか
- テキストを画像に置きかえたほうが理解しやすくならないか
- スマホで見てもきちんと表示されているか
画像で最も重要なのは、「テキストの代わりに画像を使用することで、読者がより理解を深められるようにならないか」を考えることだ。文章より画像のほうが何百倍もの情報量をもつ。
検索エンジンにも画像の内容を正確に理解してもらえるよう、alt(代替テキスト)もきちんと設定しておこう。具体的な日本語で設定しおくとよい。

Chrome 拡張機能「Alt & Meta viewer」を使うと、フロント(実際に表示される記事)でも alt を確認できる。リライト前に一括でチェックしておくと修正箇所がわかりやすいのでおすすめ。

ブログのジャンルにもよるが、ユーザーの 7 割以上はスマホでブログを読んでいる。そのため、パソコンでの見やすさではなく、スマホでの見やすさを優先して考えたほうがよい。
画像に小さな文字をビッシリ入れていると、スマホでは小さすぎて読めない可能性がある。
WordPressの記事に画像を入れるときのベストプラクティス
記事本文の修正ポイント
- 流し読みしやすい文章になっているか
- 箇条書きや表に変更できるところはないか
- 誤字脱字がないか
- 古くなっている情報はないか
- リンク切れはないか
- 関連記事にリンクしているか
文章は、書けば書くほど上達する。先にも少し触れたように、過去記事を読むと自分の文書が下手だと感じるはずだ。情報量が不足していることに気づき、ときには新記事を書くより時間がかかることもある。
それでもユーザーのことを第一に考え、言い回しを変えたり、箇条書きや表を使って流し読みしやすい文章にしておこう。古くなった情報の更新や、リンクのチェックも忘れないように。
「新記事から過去記事へのリンク」は入れていても、「過去記事から新記事へのリンク」を見落としていることが多い。毎回すべての記事を大幅にリライトしなくてもよいが、関連記事へのリンクは新記事公開のたびにチェックするのがおすすめだ。
記事本文の修正は、記事全体の改善に等しい。SEO に力を入れているなら、Google が公開しているガイダンスもしっかり読んでおこう。
質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス | Google 検索セントラル ブログ
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
カテゴリー・タグの修正ポイント
- カテゴリーは適切か
- 単体の記事にのみ使われているタグがないか
記事のリライト・修正だけではなく、ブログ全体のメンテナンスも重要だ。記事が増えてきたら、カテゴリーとタグの見直しをしておこう。
タグを活用できていないブログはかなり多い。「とりあえず記事のキーワードをタグに設定して複数入れておく」という使い方は何の意味もなく、それならむしろ使わないほうがマシだ。
カテゴリーとタグの使い分け方を学んでおけば、ユーザーも検索エンジンも記事を探しやすくなる。間接的に SEO の効果も期待できるだろう。
WordPress「カテゴリー」と「タグ」の違い&おすすめの使い分け方
過去記事リライトに関する Q&A
リライトや修正はどのタイミングで行えばよいですか?
定期的にアクセス解析や検索順位をチェックし、数値が下がっている記事を見つけたらリライト・修正の対象としよう。数値に変化が見られなくても、主力記事は 3 ヶ月に 1 回など定期的に見直すのがおすすめ。
記事タイトルを頻繁に修正するとペナルティになりますか?
「検索上位を狙うためだけの修正」とみなされると、検索順位に悪影響となる可能性がある。毎日キーワードを入れ替えるなど極端な修正をするのではなく、あくまでユーザーにとって有益な修正を行ってほしい。
修正箇所は打ち消し線を入れたほうがよいですか?
修正前の情報がユーザーにとって必要なものであれば、打ち消し線を入れて修正後の情報を追記するのがよい。打ち消し線だらけになると読みづらくなるため、その点も考慮してリライトしよう。
リライトしてもアクセスが増えなければ削除すべきですか?
他の記事との統合など、できるだけ残しておくことを優先に考えよう。統合するさいは、リダイレクト設定も忘れずに。ブログにとってもユーザーにとっても不要な記事であれば削除してかまわない。
過去記事リライトまとめ
- 記事タイトルにキーワードが入っているか/詰め込みすぎていないか
- 記事タイトルは特定のターゲットに向けられたものか
- 記事タイトルで読むメリットを伝えられているか
- 見出しは設定されているか
- 見出しは順序が守られているか
- 見出しにキーワードは含まれているか
- 画像に適切な alt(代替テキスト)が設定されているか
- アイキャッチ画像は記事と関連しているか
- テキストを画像に置きかえたほうが理解しやすくならないか
- スマホで見てもきちんと表示されているか
- 流し読みしやすい文章になっているか
- 箇条書きや表に変更できるところはないか
- 誤字脱字がないか
- 古くなっている情報はないか
- リンク切れはないか
- 関連記事にリンクしているか
- カテゴリーは適切か
- 単体の記事にのみ使われているタグがないか
過去記事修正で見るべきポイントはたくさんあるし、本格的にリライトするならアクセス分析や検索順位チェックも必要となる。
まずは「自分で記事を読んだときにブックマークしたくなるか」「友人や知人におすすめできる内容か」を基準にリライトしてみよう。そこから少しずつステップアップしていけば大丈夫だ。
記事を読んで感想をもらうのが一番わかりやすいので、記事添削サービスを利用したり Twitter で呼びかけてみるのもよいと思う。数字が伸ばしつつブログ運営を楽しんでほしい。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。
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