「メタキーワード入力欄には何か書いたほうがよいのか。SEO に少しでも効果があるのか」という疑問をもつブログ初心者は少なくない。WordPress では一部のプラグインまたはテーマにキーワード入力欄があるため、設定しないと悪影響があるのではと思うのも当然だろう。
結論から言うと、meta keywords(メタ キーワード)を使う必要はない。書いても書かなくても検索順位には影響せず、SEO には何の意味もない不要な設定と覚えておいて大丈夫だ。
なぜ meta keywords は不要なのか、いまだに必要だという人がいるのはなぜか、詳しく見ていこう。
目次
meta keywords とは
meta keywords とは、その HTML 文書(Web ページ)に関連するキーワードを設定できるタグのこと。以下のように半角カンマで区切って複数のキーワードを指定できる。
<meta name="keywords" content="キーワード1,キーワード2,キーワード3">
はるか昔の話、検索エンジンはこのタグを参考に Web ページの内容を解釈していた。そのため、検索順位向上のためにキーワードを複数入れておくのは SEO の常識だった。
現在、主要な検索エンジンは meta keywords を見ておらず、設定しても意味のない不要なタグとなっている。
meta keywords が不要になった理由
当時の検索エンジンは今ほど賢くなく、ページの内容を正確に読み取っていたわけではなかった。キーワードの量や被リンクの量を重点的に見て、それ以外の要素を多少考慮して順位付けしていたに過ぎない。
見える形でページに大量のキーワードを詰め込んだり、meta keywords にページとまったく関係のないキーワードを羅列するだけでも検索上位に入れたのだ。今もそれが SEO だと勘違いしている人もいるが、スパム扱いされるだけなので気をつけてほしい。
キーワード乱用などのスパム対策に加え、検索エンジンはページの内容を正確に分析し、検索ユーザーの意図に合わせた最適な結果を返せるよう日々進化している。AI も深く関わっており、もはや「キーワードを入れておけば OK」という時代ではない。
meta keywords に書かれているキーワードなど参考にしなくても、どのようなことが書かれているのか判断できる。検索順位は、さらに様々な要素を見て総合的に決定される。Google が公開している「検索の仕組み」を読んでみよう。
Google のシステムでは、キーワードに着目するだけでなく、コンテンツが他の点で検索クエリと関連しているかも分析します。匿名化して集計したインタラクション データに基づいて検索クエリと検索結果の関連性を評価することもしています。インタラクション データをシグナルに変換して機械学習することで、関連性をより正しく推定できるようになります。たとえば、「犬」で検索する場合、必要なのは「犬」という単語が何百回も出現するページではありません。それを踏まえて、検索アルゴリズムでは、「犬」というキーワード以外で関連性の高いコンテンツ(犬の画像や動画、犬種のリストなど)がページに含まれているかどうかを評価しています。
検索の仕組み | 検索アルゴリズム
meta keywords がもし有効であれば、再びスパムに使われるのは間違いない。そんなタグなど見なくても、ページの内容を的確に判断できる。
以上の理由で、主要な検索エンジンは meta keywords を無視するようになったのだ。
日本国内の検索状況と meta keywords の扱い
日本国内では、どの検索サイトがよく使われているのだろうか。StatCounter によると、2022 年 1 ~ 10 月は以下のとおりとなっている。

Yahoo! 検索は Google の検索エンジンを使っているため、一つにまとめて考える。また、上記グラフには掲載されていない Yandex を含めたのが下表だ(含める理由は後述)。
検索サイト | シェア率 |
---|---|
Google & Yahoo! | 92.61 % |
Bing | 6.76 % |
DuckDuckGo | 0.29 % |
Baidu | 0.14 % |
Yandex | 0.1 % |
その他 | 0.1 % |
ご覧のとおり、99.37 %が「Google & Yahoo!」と「Bing」という状況になっている。これらの検索エンジンが meta keywords をどのように扱っているのか見てみよう。
Google は meta keywords を見ていない
Google は 2009 年の時点で「何年も前から使っていない(無視している)」「今後も使う可能性は低く、そのポリシーを変更する必要はないと考えている」と明言している。
Google doesn’t use the “keywords” meta tag in our web search ranking.(中略)It’s possible that Google could use this information in the future, but it’s unlikely. Google has ignored the keywords meta tag for years and currently we see no need to change that policy.
Google does not use the keywords meta tag in web ranking
2022 年 3 月に公開された YouTube 動画で、meta keywords を検索順位決定のために使っていないことを John Mueller が再度明言した。
さらに、2022 年 11 月には Google 検索セントラルに「インデックス登録やランキングにはまったく影響しない」という一文が追加された。サイト運営者から、メタキーワードに関する質問が多く寄せられていたのかもしれない。
meta-keyword タグは Google 検索では使用されないため、インデックス登録やランキングにはまったく影響しません。
Google がサポートしているメタタグと属性 | Google 検索セントラル
Yahoo! 検索は Google のシステムを使っているから、同様に meta keywords を見ていないということだ。
Bing や Baidu も meta keywords を無視している
Bing は 2014 年の時点で meta keywords は意味がないことをウェブマスターブログで取り上げている。
Today, it’s pretty clear the meta keyword tag is dead in terms of SEO value.
Blame The Meta Keyword Tag | Webmaster Blog
2020 年の時点でも「無視している」と Twitter で返信しており、検索順位にはまったく影響していないことがわかる。Google と同じく、今後サポートする可能性も極めて低い。
The meta keyword tag is dead in terms of SEO value for @BingWMC. We exclude it and ignore it. @CoperniX @facan
— Christi Olson (@ChristiJOlson) May 29, 2020
また、Baidu も 2012 年の時点で meta keywords を無視していたようだ。
Baidu’s engineer LEE, who is in charge of answering questions publicly about SEO, made it clear in August 2012 that meta keywords tag had become a history for Baidu, and Baidu totally ignores it.
Why You shouldn’t Use Meta Keywords Tag for Baidu SEO Anymore | Jinray SEO Agency
主要な検索エンジンはすべて meta keywords を無視しており、設定したところで検索順位には何の影響も及ぼしていないと覚えておこう。
Yandex は meta keywords をサポートしている
日本国内で 99.37 %も使われている「Google」「Yahoo!」「Bing」が meta keywords を無視しているにも関わらず、なぜかネット上ではそれでもこのタグを使うべきと言う方がいる。
その理由は「meta keywords を使っている検索サイトがあるかもしれないから」というものがほとんどだ。では、いったいどこの検索サイトが使っているのだろうか。
調べたかぎりでは、サポートを明言しているのは「Yandex」だけだった。これが、先ほど国内シェア率の表に Yandex を含めた理由だ。
Meta tags that Yandex takes into account – Webmaster. Help
Yandex は日本で 0.1 %しか使われておらず、サポートしているからといって meta keywords が検索順位に大きく影響しているとも考えにくい。
全体的に見れば意味のないタグなのだから、時間を割いて meta keywords を書く必要はないだろう。
なぜいまだに meta keywords を設定しているのか
何年も前から検索エンジンに無視されている meta keywords をいまだに書いているサイトは、現在でもよく見かける。その理由は以下のいずれかだろう。
- 投稿編集画面にキーワード記入欄がある( meta keywords として出力されることを知らない)
- CMS がカテゴリーやタグをもとに自動生成している
- 古い SEO ノウハウを鵜呑みにしている
- 何となく効果がありそうだと思っている
- 書いたほうがよいと教えている人がいる
- 検索サイトの言うことを信じていない
- 検索向けではなくチームでの管理目的など別の理由がある
たとえば、WordPress に meta keywords 生成機能はないが、SEO プラグインや一部のテーマには入力欄が備わっている。


入力欄があると、何か効果がありそうだと思ってしまうだろう。
meta keywords は検索エンジンに無視されているため、入力しておいてもとくに問題は発生しない。プラスにもマイナスにもならないが、管理面など別の目的がなければ設定するだけ時間の無駄だとは思う。
記事作成時にキーワードを入力するのが面倒だと感じていたり、効果があるかもしれないと思って書いていたなら、この機会にやめてしまってかまわない(過去に設定したものをわざわざ消す必要もない)。
もし検索インデックスに登録されない / 検索順位がなかなか上がらない、という状況であれば、まったく別のところに問題がある。その対応に時間を割いたほうが効果的だ。
ブログ記事が Google 検索のインデックスに登録されない原因と解決策
meta keywords まとめ
ブログを含め、どのようなサイトでも meta keywords を書く必要はない。書いたところで検索エンジンには無視されるので、検索順位に影響を及ぼすことはない。
SEO を考えるならもっとやるべきことがたくさんあるから、そちらに時間をあてよう。何より重要なのは、ユーザーが求めている高品質な記事を書くことだ。逆に言えば、記事が低品質ならどんな対策をしてもすべてムダに終わってしまう。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
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