ブログを運営していると、「301 リダイレクト」や「404 エラー」といった用語を目にするかもしれない。これは、HTTP ステータスコードと呼ばれるものだ。

HTTP ステータスコード は 3 桁の数字で、100 番台から 500 番台までそれぞれ固有の意味を持っている。

すべてを暗記しなくてもよいが、代表的なコードを覚えておけばエラー発生時などに原因を突き止めやすい。本記事では、ブロガーなら覚えておきたいコードをピックアップして紹介していく。

Web サイトが表示される仕組み

HTTP ステータスコードの話をする前に、「ブログ記事を公開したらブラウザに表示される」仕組みを簡単に見ておこう。

サーバーとクライアント

WordPress でブログ運営しているなら、レンタルサーバーを使っていると思う。

「サーバー」とは、ネットワーク上にあるサービス提供用のコンピューターまたはソフトウェアのことだ。WordPress 本体・記事・画像などあらゆるデータが格納されている場所、と覚えておけば OK。

用語解説 サーバー / レンタルサーバー

サーバーに対して、ブラウザや検索エンジンクローラーは「クライアント」と呼ばれる。

ユーザー(クライアント)がネットに接続してブログを見るとき、サーバーに対してリクエストを送信し、リクエストを受信したサーバーはクライアントへレスポンスを返している。

クライアントとサーバー

HTTP ステータスコードの意味

レスポンスのなかに「HTTP ステータスコード」が含まれており、ブラウザはそのコードに基づいて結果を表示する。

ステータスコードの番台ごとの意味は下表のとおり。

番台意味
100リクエスト処理
200リクエスト受理
300追加処理(リダイレクト)
400クライアントエラー
500サーバーエラー

サーバー管理者でなければ、すべてのコードを覚える必要はない。ブログ運営に関わる重要なステータスコードだけおさえておこう。

ステータスコード 200 番台

200 OK

「200 OK」は、Web サイトが正常に表示される状態を表す。ブラウザに表示されないため、このコードを見る機会はあまりない。

Search Console の URL 検査では、Google がきちんと認識できている状態なら「HTTP レスポンス」欄に 200 OK が表示される。

Search Console URL検査 HTTPレスポンス 200 OK

ブラウザのデベロッパーツール(検証ツール)では、要素ごとにステータスコードを確認できる。ブログに何か不具合が起きているときは、200 以外のコードになっていないかチェックすると原因を探りやすい。

Chromeデベロッパーツール ステータスコード欄

ステータスコード 300 番台

300 番台のステータスコードは追加処理を表し、主にリダイレクトで使用される。

301 Moved Permanently

一般的に「301 リダイレクト」と呼ばれているこのコードは、情報の中身が恒久的に移動したことを表す。

たとえばブログ記事のパーマリンクを、以下のように変更したとしよう。

旧)example.com/hoge

新)example.com/fuga

301 リダイレクトを設定しておけば、ユーザーが旧 URL にアクセスしたとき新 URL へ転送してくれる。検索エンジンの評価も引き継げるため、URL を変更したときは必ずリダイレクトしよう。

他にも、以下の状況で 301 リダイレクトを使う。

  • ドメインを変更したとき
  • 常時 SSL 化(HTTPS)するとき
  • WordPress パーマリンク設定を変更したとき
  • WordPress カテゴリーのスラッグを変更したとき
  • 一部の記事を別サイトに移動したとき
  • 複数記事を統合するとき

リダイレクト設定方法はいろいろあるが、WordPress ならプラグイン「Redirection」を使うのが簡単だ。

302 Found(Moved Temporarily)

「302 リダイレクト」は情報の中身が一時的に移動していることを表す。主にサイトリニューアルなどで使われるもので、ブログ運営にはあまり関係のないステータスコードだ。

301 でも 302 でも、ユーザーがアクセスすれば自動的に転送されるし、検索評価も同じように引き継がれる。前項のとおり、パーマリンク変更や記事移動であれば 301 を使っておけば問題ない。

このコードはもともと「302 Moved Temporarily」だったが、不正な使われ方をすることが多くなったため「302 Found」になった。代わりに「307 Temporary Redirect」が定義されたが、とくに覚える必要はない。

ステータスコード 400 番台

401 Unauthorized

「401」は認証が必要というステータスコードで、会員制サイトや管理画面などで使用される。

認証ダイアログが表示されたときにキャンセルしたり、ID・パスワードが間違っていたときに「Authorization Required」と表示されるのが 401 だ。

ステータスコード401サンプル

通常のブログ運営ではとくに気にしなくてよいが、記事にパスワードを設定しているなど制限をかけているなら、頭の片隅に入れておくと役立つかもしれない。

403 Forbidden

「403 エラー」は立ち入り禁止を表す。CGI プログラムが置いてある場所や、管理者以外アクセスできない場所にアクセスするとこのコードが表示される。

ロリポップや ConoHa WING など、WAF が用意されているレンタルサーバーではプラグイン設定変更時に表示されることがある。

エックスサーバー 403 Forbidden

この場合は、一時的に WAF を解除すれば OK。

WAF はセキュリティを強化する機能なので、プラグイン設定などを終えたら再び有効化しておこう。

404 Not Found

「404 エラー」は情報が存在しないことを表すコードで、アクセス権がない場合にも表示される。

記事を削除したら 404 になる、と覚えておけばよい。

WordPress テーマには、オリジナルの 404 ページが用意されている。カスタマイズする余裕があるなら、記事を見つけられなかったユーザーのために検索窓やカテゴリ一覧などを載せておこう。

WordPress 404 エラーページの作り方・カスタマイズ方法

Search Console で「見つかりませんでした(404)」と表示されたときは、そのページをチェックしてほしい。自分で削除したページであれば放置で問題ない。

Search Console ページのインデックス登録 見つかりませんでした 404

削除した覚えのないページが含まれていた場合は、急いで WordPress のゴミ箱をチェックしたほうがよい。

プラグインの使い方が間違っており、いつのまにか記事を消していた、ということもあり得る。

ステータスコード 500 番台

500 Internal Server Error

「500 エラー」はサーバー内部のエラーを表す。

WordPress ではほぼ「.htaccess」ファイルの設定ミスが原因だ。

テーマカスタマイズのミスや古いプラグインが原因となっていることもあるから、何らかの変更を加えたときは必ずブログの表示を確認しておこう。

500 Internal Server Error の原因と WordPress での解決策

503 Service Unavailable

「503 エラー」はサーバーメンテナンス時や過負荷状態でページが表示できないときに表示される。

最近のレンタルサーバーは性能が向上しているので、一時的にリアルタイムアクセス数が急上昇しても 503 になることは滅多にない。もし 503 が多発するようなら、アップグレードするか別のサーバーにしたほうがよいだろう。

キャンペーンサイトなどでエラーが起きていたら、ユーザー側にできることは何もない。何回もリロード(ページ更新)しても負荷をかけるだけなので、運営側が対応してくれるのを待ってほしい。

HTTP ステータスコードに関するまとめ

ブログ運営でよく使うステータスコードは以下の 3 つ。これだけでも覚えておこう。

ステータスコード意味・使い方
301別ページに自動転送する。URL を変更するときなどに自分で設定する。
404ページを削除すると表示される。とくに対応する必要なし。
500カスタマイズミスなどで表示される。自分で対応しないと直らないことが多い

最も気をつけたいのは 500 Internal Server Error で、このエラーが表示されたら早急に対処しなければならない。サーバー側のトラブルもあり得るが、ほとんどはブログ管理者のミスが原因だ。

重大なトラブルが生じて解決できないときは、遠慮なく相談してほしい。

Reinx 記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。

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