自分のブログの強さや価値は、記事の本数や運営年数といった要素を他のブログと比較してはじめてわかる。しかし、何万とあるブログと見比べるのは現実的ではないし、「質」という数値化しづらい要素もある。
そこでよく使われるのが「ドメインパワー」という数値化された指標だ。あなたのブログに点数を付けてくれるのだが、その数値が高いから「検索上位に入りやすい」わけではないので注意しよう。
本記事では、ドメインパワーのスコアを上げる方法と共に、SEO との関連性について解説している。
目次
ドメインパワーは Google の評価ではない
ドメインパワーとは、ドメイン(≒ブログ)の力を数値化したものだ。ただし、第三者が独自の基準で計測しているスコアで、Google の評価とはまったく違うものである。
過去に Google は「PageRank」という指標を公開していた。だれでもサイトの強さを 0 ~ 10 の 11 段階で確認できたのだ。しかし、リンクスパムが増えたせいか、2016 年に PageRank の表示は完全に廃止された。
PageRank が確認できなくなったため、サイト運営者や SEO 担当者は Google 以外の第三者が独自にスコアリングした数値に注目するようになった。これが現在ドメインパワーとして一般的に認知されているものである。
スコア算出方法は統一されているわけではなく、そのサービスによって見ているところや名称が違う。
ドメインパワー計測サービス | スコアの名称 |
---|---|
Ahrefs | Domain Rating(DR) |
Moz | Domain Authorrity(DA) |
Semrush | Authority Score |
パワーランクチェックツール | パワーランク |
Google は PageRank を公表しなくなったが、内部では使われているのか、形を変えて残っているのか、外部からはわからないところだ。
John Mueller は 2016 年の時点で「Web サイトオーソリティスコアのようなものはない」と語っている。アルゴリズムの一部として PageRank は使われている可能性はあるが、昔の概念とまったく異なるものだと考えたほうがよいかもしれない。
計測サービスを提供している Ahrefs も、「初期の PageRank に近いスコア」と述べている。
URLレーティング(UR)は、初期のページランクの方式と多くの共通点があるため、ページランクの適切な代替品と言って良いでしょう。
しかし、完璧ではありません。URLレーティング(UR)は、現代のページランクほど、多くの要因を考慮していません。
したがって、私たちのアドバイスとしては、URLレーティング(UR)を使用はしても、影響されすぎないでくださいということです。
ページランクはまだ終わっていない?ページランクの重要性とは | Ahrefsブログ
ドメインパワーを調べる方法
ドメインパワーは、先に紹介したサービスでだれでも簡単に調べられる。どれも無料で使えるので、この機会に一度計測しておこう。
パワーランクチェックツール(アクセスSEO対策ツールズ)

提供サイト | パワーランクチェックツール | アクセスSEO対策ツールズ |
---|---|
スコアの名称 | パワーランク |
特徴 | アカウント登録不要で手軽にチェックできる |
ブログ初心者がよく使っているのが「パワーランクチェックツール」。
アカウント登録なしで手軽に使えるサービスだが、1 日 3 回しか利用できないため、競合サイトのチェック・比較には向かない(アカウント登録で 1 日 10 回まで)。
自分のブログはどのくらいのスコアなのか、どうすれば数値が伸びるのか、ゲーム感覚で使うと面白いかもしれない。モチベーション維持にも役立つだろう。
Website Authority Checker(Ahrefs)

提供サイト | Website Authority Checker: Check the “Authority” Of Any Domain |
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スコアの名称 | Domain Rating(DR) |
特徴 | アカウント登録不要で被リンク数も同時にチェックできる |
「Website Authority Checker」は、有料 SEO ツールの筆頭にあげられる Ahrefs が無料で提供しているツールだ。
被リンク数も同時にチェックできるため、簡易的な競合サイト調査としても使える。被リンクの詳細は有料版にしなければ見られないが、ブログ初心者にはそこまで必要ないだろう。その調査に時間をかけるなら、一つでも多く記事を書いたほうがはるかに効果的だ。
Ahrefs を利用するような SEO 業者・専門家が、DR だけに注目することはない。それよりも、競合サイトのキーワードや被リンク元など別の点を調査している。あなたのブログが検索上位に入っているなら、当然チェックされていると考えたほうがよいだろう。
Link Explorer(Moz)

提供サイト | Link Explorer – Backlink Checker with 40T Links! – Moz |
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スコアの名称 | Domain Authorrity(DA) |
特徴 | 対象サイトの上位キーワードなどもチェックできる |
「Link Explorer」は SEO 業界で有名な Moz が提供しているツールで、ドメインパワー以外に被リンク状況などもチェックできる(要アカウント作成)。
ドメインパワーだけ簡単に調べたい、という使い方にはあまり向いていない。
お金をかけるほどではないけれど競合サイトの調査をしてみたい、というときに使うのがおすすめだ。無料版は上限が月 10 サイトでデータ閲覧にも制限があるものの、今後のブログ運営や記事執筆にあたって様々なヒントが得られると思う。
Ubersuggest

提供サイト | 無料キーワード提案ツール UbersuggestでSEO対策 |
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スコアの名称 | Domain Authorrity(DA) |
特徴 | 対象サイトの上位キーワードなどもチェックできる |
「Ubersuggest」はキーワード調査をメインとした SEO 総合ツールだ。個人ブログ向けの必須ツールとして紹介されることも多い。
スコアや被リンク数は前述の Moz のデータを使用しており、アカウント登録しなくても他サイトのデータを調査できる(無料版は 1 日 3 サイトまで&データ数に制限あり)。
キーワード調査も競合サイト調査もしたい、と考えているなら一度使ってみることをおすすめする。
Semrush

提供サイト | Semrush – オンラインマーケティングを簡単に |
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スコアの名称 | Authority Score |
特徴 | 日本語対応の海外ツールでサイト監査もできる |
「Semrush」は、Moz と同じく無料アカウント登録が必要な総合 SEO ツールだ。
ドメインパワーのチェックだけで利用するのには向かないが、SEO 状況を診断してくれるサイト監査機能があるので一度試してみるとよいだろう(無料お試しは監査上限 100 ページ)。
日本の SEO 業者は、Ahrefs か Semrush を使っている場合が多い。
目的別おすすめサービス
どのサービスをメインで使えばよいか、目的によって変わってくる。無料で使用する場合のおすすめは以下を参考にしてほしい。
目的 | おすすめサービス |
---|---|
自分のブログのスコアを簡単に確認したい | パワーランクチェックツール Website Authority Checker(Ahrefs) |
自分のブログのスコアチェック&監査をしたい | Semrush |
競合サイトのスコアを(複数)確認したい | Link Explorer(Moz) Ubersuggest Semrush |
本格的に競合サイトのチェックをしたいなら、Ahrefs か Semrush をおすすめする。
Google の検索結果画面でドメインパワーを表示できるツールバー(ブラウザ拡張機能)を提供しているサービスもあるので、検索上位の傾向を調べたいならこの機会に導入してみよう。
ドメインパワーを上げる方法
各サービスのスコアは、Google 初期の PageRank と同じく被リンク数がベースになっている。「リンクがどのくらい集まっているかを数値化したもの」だ。
つまり、被リンクをたくさん集めればスコアは上がる。
そのサービスによって被リンク本数の検知能力や他に加味している要素に多少の違いはあるが、以下の施策を行えば数ポイントは簡単に上げられるだろう。
- ランキングサイトへの登録
- note や無料ブログサービスなどからの自作自演リンク
- ブログ同士の相互リンク / リンク企画
しかし、これはスコアを上げるためだけの方法だ。この施策によってドメインパワーの数値が上がったとしても、検索順位にはほとんど影響せず、むしろ検索評価がマイナスになる可能性もある。
ドメインパワーは高くても検索上位に入れない理由
繰り返しになるが、被リンクは検索順位決定要素の一部に過ぎない。
また、被リンクの本数以外に「どこからリンクされているのか」「ページのどの位置にリンクがあるのか」という要素も検索順位に影響する。
ドメインパワー(スコア) | 被リンク数を増やせば数値が高くなる。質が影響する場合もあるが、微々たるもの。 |
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検索順位 | 被リンク数を増やしても、質が低ければ検索順位に影響しない。悪質とみなされると検索順位が低下する。 |
ランキング登録など、ブログ運営者が自ら操作できる範囲の被リンクは、ほとんど検索順位に影響しないと考えてよい。
たとえば、1 記事しかない無料ブログを複数作って、そのすべてからメインブログにリンクしても検索順位は上がらない。しかし、各サービスで計測しているドメインパワーのスコアは上がるため、「スコアは高いのに検索上位に入れないブログ」になってしまう。
スコアを上げるためだけの目的で行う施策は、悪影響を及ぼす可能性もあるので、十分に注意しよう。
PageRank や Google 検索結果でのサイトのランキングを操作することを目的としたリンクは、リンク プログラムの一部と見なされることがあり、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反となる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
リンク プログラム | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google Developers
Twitter でブログの被リンク企画などを見かけるが、Google の考えに沿わない内容であればペナルティにもなり得る。
手動ペナルティになると、ほぼすべてのキーワードで検索圏外に飛ばされ、専門家の助けを得ても回復まで数ヶ月かかるぐらいダメージを負う。
検索流入だけがすべてではないし、検索以外のところで自分のブログを宣伝するのは重要だ。「ドメインパワーのスコアを上げるためだけ」「検索順位を上げるためだけ」の目的で実施しても良い結果につながらない、ということは忘れないようにしよう。
ドメインパワーに関するよくある質問
ドメインパワーの平均・目安はどれくらいですか?
サービスによって算出方法が異なるし、絶対的な目安は存在しない。狙ったキーワードで検索上位になっているサイトと相対的に比較しよう。あくまで参考であり、スコアが全てではない。
ドメインパワーがずっと0のままです。いつ上がりますか?
ドメインエイジ(運営年数)が加味されているサービスなら、運営を続けていれば自然と上がっていく。あるいは自作自演で被リンクをつければ上がるが、検索評価がプラスになるとは限らない。リンクしたいと思えるほどクオリティの高い記事を書くのが一番だ。
ドメインパワー・ドメインスコアに関するまとめ
たとえドメインパワーがゼロだとしても、Google に評価されていないというわけではない。検索上位サイトを調べていけばわかると思う。
キーワードにもよるが、検索上位に入れないのはドメインパワーが低いからではなく、記事のクオリティが低いから、と考えよう。
検索ユーザーがどのようなことに悩んでいるのかを探り、それに対してどのサイトよりも明快でわかりやすい答えを提供する。それがドメインパワーも検索評価も上げる唯一の近道だ。
NEXT 検索評価を上げるブログの書き方
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。

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