ブログ収益化の方法は大きく 3 つある。以下の記事で解説しているとおり、最適な手法は運営スタイルや運営者自身のスキルによって異なる。
しかし、いずれの手法も簡単ではない。とくに「日記ブログ」を運営しているのであれば、ブログ一本で生活できるほどの収入には至らないだろう。簡単に収益化できると思って始めたのに、まったく成果が出ずにやめてしまう人はたくさんいる。
では、少しでも日記ブログで稼ぐにはどうすればよいのだろうか。本記事では、収益化以外の活用方法と共に解説していく。
目次
日記ブログとは
日記ブログとは、文字どおり「日々の出来事・体験を中心に書く日記のようなブログ」を指す。
ほかにも「雑記ブログ」や「特化ブログ」といった分類がある。これはどこかで明確に定義されているものではなく、何となく広まってきたものだ。提唱する人によって境界線もまちまちである。
見方によって、日記ブログは雑記にも特化にもなる。
雑記ブログ | とくにジャンルを限定しない |
---|---|
特化ブログ | ジャンルを限定する |
たとえば、毎日のようにラーメンを食べ歩いており、その記録をブログに綴っているなら「ラーメンに特化した日記ブログ」だ。
ラーメンの食レポ以外にも、その日に観たドラマや映画のレビューを書いたり、すっきり収納するアイデアをまとめたり、という記事があるなら「様々なジャンルを扱った日記ブログ」となる。
どれが正解ということはなく、ブログはこうあるべきだという決まりもない。
日本におけるブログと日記サイト
ブログは、ニュースなどへの個人的な感想・意見を綴ったサイト(Web Log)として広まった。主に以下の特徴がある。
- Web の専門知識がなくてもサイトを作成できる
- トラックバックなどサイト同士でつながりやすい機能がある
- コメント機能でユーザーと交流できる
- RSS で更新情報を配信できる
ブログが誕生する前、日本では「日記サイト」が流行していた。ブログが上陸したときは「日記サイトからブログサイトに乗り換えた」ケースがかなりの割合を占めていたように思う。
当時はネット環境が整っておらず、モバイル端末もほぼガラケー。手軽に自分の情報を発信する、という習慣は一般的ではなく、発信者の数は今より断然少ない。「どこのだれかも知らない人の日常を覗ける」というだけで価値があった時代だ。
現在は、ブログ以外にも SNS などで自分の意見や考え、日々の体験を発信するのが当たり前の時代。発信者の数は膨れ上がり、ブログが流行し始めたときに比べると「どこのだれかもわからない人の情報」ではなく、「その分野に精通している専門家が発する情報」が求められるようになってきている。
さらに、スマホの普及により、ちょっと時間をつぶす方法が数え切れないほど出てきた。娯楽として日記ブログを読むユーザーは減少していると考えてよいだろう。
日記ブログが稼げないと言われる理由
日記ブログは「日々の出来事・体験が中心」で、そのほとんどが匿名投稿である。つまり、どこのだれが書いているのか、ユーザーにはわからない。これはユーザーの信頼感はもとより、検索評価にも影響してくる。
情報を取捨選択しているのは検索サイトも同じなのだ。検索ユーザーの知りたいことにピンポイントで的確な答えを返すために、それなりに有名でそれなりに支持されているサイトを検索の答えとして返している。
「風邪 治し方」で検索してみてほしい。「私はこうやって風邪を治しました」という個人の日記ブログは出てくるだろうか。ブログは一つもヒットせず、医療機関や製薬会社のサイトだけが表示されているはずだ。これは、医師や医療関連企業が発するの情報のほうが正確で信頼できるためで、信頼できるかどうか判断できない一個人の見解は検索の答えから除外されている。
なかには個人の意見を参考にしたいと思っているユーザーもいるだろう。しかし、不特定多数のユーザーにある程度満足いく答えを返すために、身元がしっかりしているサイトを紹介するのがよいのは明らかである。もしあなたが営利目的で検索サイトを立ち上げるとしたら、匿名の個人ブログをどう扱うか考えてみてほしい。
ジャンルやキーワードによるが、今後もどこのだれが書いたかわからない情報は切り捨てられる可能性が高いと考えて間違いない。総じて日記ブログは検索からのアクセスを集めるのが難しく、収益にもつながりくい。
日記ブログで稼ぐ 3 つのコツ
ブログのアクセスを集める方法はいろいろある。代表的な例をいくつかあげてみよう。
- 検索サイト
- ランキングサイト
- Google Discover
- ニュースアプリ
- SNS
- 他サイトからのリンク
- 広告出稿
このうち、最も安定した収益が見込めるのは検索サイトからのアクセスだ。なぜなら、「これを知りたい」「あれを買いたい」と、ユーザーの目的がハッキリしているからである。
アクセス数だけ見るなら、SNS でバズってくれれば瞬間風速は最大になるだろう。でもそれは永続的なものではない。また、ユーザーの目的も定まっていないため、広告のクリック率は検索流入に比べてかなり落ちる。
このように考えていくと、「検索ユーザーが知りたいことを日々の体験から答える」のが日記ブログで稼ぐ王道手法と言える。では、日記ブログ収益化のポイントを見ていこう。
01. 読者が読みたいと思うものを書く
日記の主役は自分(執筆者)だが、日記ブログの主役は読者(検索ユーザー)だ。
自分の書きたいことだけを書いてそれが何となく収益につながる、という考えは捨ててほしい。日記ブログの記事はだれかに読んでもらうことを前提としているのだから、そのだれかを主役として設定しよう。
そのためには、検索ユーザーは何を求めているのか、その目的は何かをきちんと考える必要がある。
ラーメンの食レポ記事を書くなら、「この店は美味しかった!」という情報だけでは不十分だ。ユーザーは何を知りたくてそのラーメン店について調べているのだろう。
- 穴場を探している
- 安いところを探している
- あまり混んでいない時間帯を知りたい
- 近くに駐車場があるのかを知りたい
- 子ども連れでも大丈夫か知りたい
- メニューや値段を知りたい
こうした需要はキーワードツールで探れる。たとえば「ラーメン 篝」を ラッコキーワード で調べてみた結果が以下である。

表示されているデータは、検索ユーザーが過去に実際に調べていたキーワード群だ。どんな情報が求められていたのか、一目瞭然。
ここで注意してほしいのは、ツールだけに頼ってしまうのは危険、ということ。検索ユーザーが実際に調べていたデータは入手できるが、これから検索するであろう需要までは探りきれない。また、他のサイト運営者も同様にキーワード調査しているため、競合サイトと似たり寄ったりな内容になってしまうおそれがある。
もしあなたも検索でそのラーメン店を見つけたのであれば、そのとき何を検索したか思い返してほしい。「過去の自分が検索したもの=ほかのだれかが検索しているもの」と考えよう。
何度も足を運んでいるなら、この時間帯は比較的空いているとか、近くの駐車場はここが安いなど、体験から答えを提示できるはずだ。ネットで調べればわかるようなことをただ並べても価値はない。あなたの体験そのものに価値がある。
02. 検索ユーザーが見つけやすいようにする
検索ユーザーが知りたいことを書いていても、その記事が探しづらい状態であればだれもアクセスしてくれない。
検索ユーザーがあなたの記事を見つけやすいように、記事タイトルを意識するところから始めよう。次の 2 つのタイトルでは、どちらが検索ユーザーに届きやすいだろうか。
今日のラーメンはコレ
東京の人気ラーメン店「銀座 篝 本店」レビュー!コクの深いまろやかな鶏白湯がおすすめ
前者のタイトルでは、その記事に「銀座 篝 本店」のレビューが書いてあるとわからない。検索上位に入る可能性はほとんどゼロに近く、仮に上位に出てきてもクリックされる確率はかなり低いと予想される。そもそも「ラーメン コレ」で検索する人はいない。
検索結果にはたくさんのサイトが並んでおり、検索ユーザーが「この記事を読めば自分の求めている答えが見つかりそう」と思ってくれないとアクセス数はゼロのままだ。
自分が検索したときにこのタイトルが出てきたら読みたくなるか、という視点で考えよう。
03. すべての記事で収益化しようと考えない
アフィリエイトによる収益化を目指しているなら、「とにかくたくさん広告を載せてクリックしてもらう機会を増やさなきゃ」と考えるかもしれない。記事の内容とまったく関係のない広告をベタベタと貼っているブログはたくさんある。
残念ながら、ただ広告数を増やしても収益は伸びない。クリック数はゼロに近く、クリックされても成果につながらない状態が続く。
アフィリエイトで稼ぎたいのであれば、次の 2 つを覚えておこう。
「エアコン 調子が悪い」と検索しているユーザーにとって、エアコンクリーニング業者に依頼した日記はとても役に立つものだ。「エアコン 6 畳 おすすめ」と検索しているユーザーにとっては、実際に購入したエアコンのレビュー記事が役立つ。
では「エアコン 除湿 電気代」で検索しているユーザーはどうだろうか。ただ電気代が気になるだけで、サービスも新しい商品も必要としていない。そこで無理やり商品を勧めても、ただただ鬱陶しいだけ。記事を読み進めることなく、離脱してしまうだろう。
大きく分類すれば同じエアコンの記事でも、そのすべてにエアコンの広告を掲載しても意味がない。この記事で何を売ればよいのか、と悩む方はとても多い。しかし、その考え方はまったくの逆である。「この商品を売るためにはどんな記事が必要か」と考えてみよう。
繰り返しになるが、日記ブログの主役はあなたではなくユーザーである。検索ユーザーの目的を見失わないよう注意してほしい。
日記ブログをサブブログとして活用する方法
日記ブログで稼ぐ 3 つのコツを実践しても、なかなか成果につながらないかもしれない。
先ほど解説したとおり、どこのだれが書いたかわからない情報は捨てられる可能性が高く、たとえ検索ユーザーを主役に記事を書いても、ジャンルによっては大手企業や有名サイトが検索上位を独占しているからだ。
すぐに結果を出そうと思わず、地道にコツコツと続けていくのが一番。しかし、ゴールの見えない道を走り続けるのは難しい。本気で稼ぎたいと考えているなら、一つのブログだけで成功しようとするのではなく、ありとあらゆる手法を試してほしい。いま実践している手法があなたに最適なものとは限らないのだから。
日記ブログは収益化以外にも活用方法がある。別の手法にチャレンジするにしても、運営中のブログはそのまま続けることをおすすめする。どのような活用方法があるのか見ていこう。
01. 練習台にする
運営中の日記ブログは、初めて作ったものかもしれない。右も左もわからず、WordPress のインストールや初期設定など、トラブルに遭いながらも作り上げたものかもしれない。
この記事にたどり着いたということは、これからもまだまだ壁がたくさんあるということ。SEO や収益化で学ぶことはたくさんあり、どれも一朝一夕で身に着くものではない。
記事の書き方が定まっていないのであれば、日記ブログを練習台と考えよう。どのように書けばアクセスが伸び収益につながるのか、コツがわかってきたら別のブログで本格的に収益化に取り組めばよい。それは特化ブログかもしれないし、アフィリエイト以外の収益化手法かもしれない。
「自分の書きたいことを書けるようになる」という初歩の初歩からスタートしている場合は、とくに地道な練習が必要となる。経験を積み重ね、今後に活かしていこう。
02. 需要を探るために使う
検索サイトからのアクセスを伸ばすために、キーワードツールを活用する機会が多くなると思う。
しかし、ツールでは探りきれない需要もあるし、すべての情報をツールで収集できるわけではない。とくに検索ボリュームなどは整形された数値であるため、ボリューム 0 でも実はけっこう検索されていたりする。そうした実状は、検索上位に表示されて初めてわかることだ。
ジャンルを固定せずに自由気ままに書いた日記が、自分のまったく意図していないキーワードで上位表示されてそれなりに読まれている、なんていうことも少なからずある。
もしそこで需要を探ることができれば、競合不在のキーワードでアクセスを集め続けられるかもしれない。「ツールでは探りきれない=競合他社には見つけられない貴重なキーワード」なのだ。そうしたキーワードを発見できたら、同じブログで深掘りしてもよいし、そこに特化したブログ作成を検討するのもよいだろう。
無駄を省くためにあれこれ調査してきっちりやりたい気持ちもわかるが、書いてみないとわからない、という考え方も捨てずにいてほしい。
03. テストや気分転換に使う
WordPress でブログを運営しているなら、技術的な面でわからない部分がたくさん出てくると思う。本体やプラグイン更新時にエラーが出て、運営に支障をきたすこともあるだろう。
収益の柱になっているブログがトラブルに遭って数日間売上がゼロになってしまう、という事態を避けるためにも、テスト用の環境を整えておきたい。そのさい、日記ブログをテスト用として使うのもおすすめだ。
ほぼ同じテーマ・プラグインを入れておけば、アップデートしても問題が起きないか事前にチェックできる。新しいプラグインを導入するさいのテストとして使うことも可能だ。
また、メインブログで SEO や収益化ばかり考えた記事を書いていると、たまには自分の思うがままに自由に記事を書きたいときが出てくるかもしれない。日記ブログが一つあれば、気分転換に記事を書ける。キーワードや文字数など気にせず、好きに書くのもモチベーション維持に効果的だ。
さいごに
ブログを書いて自宅にいながらお金を稼ぐ、というのはとても夢がある話だと思う。
しかし、ブログを始めるのは簡単でも、ブログで稼ぐのはとても難しいという現実も知っておこう。日記ブログだから難しいのではない。特化ブログを作って 3 ヶ月で挫折する方もいれば、3 年ぐらいは稼げていたのに Google アップデートに巻き込まれて収益がいきなりゼロになった人もいる。
ブログを始めても、今すぐお金になるわけではない。続けていればだれでも成功できるとも限らない。それを承知の上で楽しく続けられるなら、あなたにはブログが適している。ぜひそのまま継続していこう。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。
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