ブログの書き方に厳密なルールは定められていないが、アクセス数や収益を伸ばしたいなら「ユーザーにも検索エンジンにも読みやすい記事」にしなければならない。
本記事ではブログ初心者でもクオリティの高い記事を書く方法を 3 つのセクションに分けてステップ形式で解説している。
- 記事執筆前の準備
- 記事執筆・公開
- 記事公開後の作業
SEO ライティングの基本を習得するために、繰り返し実践して自分なりの書き方を固めていこう。
目次
記事執筆前の準備
記事執筆前の準備は、ユーザーの需要を探り、大まかな記事構成を決めていく作業がメインとなる。
「ブログを書く」一連の作業で最も時間のかかる部分だが、SEO を考えた記事に欠かせない部分なので手を抜かずに取り組んでほしい。
01. メイントピック候補をあげる
まずは「どのようなことを書くか」を決めるために、記事のメイントピック(=ネタ)を決める。
特化ブログであれば、そのジャンルに基づいて決めればよいので迷うことはないと思う。たとえば WordPress に特化しているなら、テーマ・プラグイン・カスタマイズ・エラー対応などがトピック候補となる。
雑記ブログは何でも自由に書けるぶんトピック選定に迷うかもしれないが、日々の出来事や体験からネタを探していけばいくらでも見つかるはずだ。
- Google AdSense 審査に合格した
- ワイヤレスイヤホンを買い替えた
- 久しぶりに友人とボウリングに行った
イメージがわかない場合は、以下の記事を参考にネタを探してみてほしい。
今回は、候補のなかから「ボウリング」に決めたと仮定して話を進めていく。
02. トピックを絞り込む
メイントピックを決めたら、記事の内容を具体的に絞り込んでいく。「ボウリングの何について書くか」を決める作業だ。
トピックを絞り込む方法はいろいろあるが、ここでは ラッコキーワード というキーワードツールを使ってみよう。
「サジェスト(Google)」を選択し、メイントピックを入力する。

キーワード候補が一覧で表示されるので、左上のサジェストを中心に具体的な候補をピックアップしていく。

ここで重要なのは、「あなたの書きたいこと・書けること」と「ユーザーの知りたいこと」がマッチするか、の一点のみ。
書きたいこと・書けることばかり記事にしても、需要がないため読まれないかもしれない。ユーザーの知りたいことを書くにしても、あなたに十分な知識・経験がなければ低品質なコンテンツになってしまう。
ネットで調べたらわかるような情報だけをまとめた記事に価値はないから、不得手なジャンル・トピックは避けたほうがよい。

検索ボリュームをトピック選定基準にする人もいるが、初心者は気にしなくてよい。キーワードツールで表示されるのは過去に実際に検索された語句であり、需要はゼロではないからだ(季節性・時事性の高いキーワードを除く)。
そのトピックに精通していれば、需要があるかどうかはわかると思う。もしキーワードを見てもピンとこないなら、知識・経験量が不足している可能性が高い。その場合はメイントピックの選定からやり直そう。
上記例で言えば、経験者なら「ボウリング コツ」「ボウリング 投げ方」の需要が高そうだと推測できるし、改めて勉強しなくてもそのトピックで記事が書けるはずだ。
03. だれに何を伝える記事にするかを決める
「ボウリング コツ」「ボウリング 投げ方」で記事を書くにしても、だれが何を知りたいのかで内容は大きく変わってくる。
再びラッコキーワードを使い、キーワードを深掘りしてみよう。「ボウリング コツ」で再調査すると、以下のとおり詳細なデータが表示される。

「だれ」と「なに」が入り混じっているので、グループ分けするとわかりやすい。
だれが | 初心者 / 女性 / 子ども / 中学生 / 左きき |
---|---|
なにを | ストレート / カーブ / ローダウン / ストライク / 脱力 / ゲーム |
ここであらゆるキーワードを盛り込もうと考えると、内容が浅くだれにも響かない記事になってしまう。上記例では『大人でも子どもでも、ゲームや実戦でハイスコアをとる投げ方』のような、わけのわからない記事になるかもしれない。
読まれる記事を書きたいなら、幅を広げるのではなく狭めよう。
最も書きやすいのは、あなたと近い境遇(年齢・性別・嗜好など)の人物に向けた記事だ。つまり、「ボウリングのコツが知りたいと思っていた過去の自分」を対象とする。
過去の自分が「ボウリング コツ」で検索するとしたら、その目的は何だろうか。ただ上達したいだけではなく、何らかの理由があるから上達したいと思ったはずだ。
友人に負けて悔しかったのかもしれないし、恋人にいいところを見せたかったのかもしれない。あるいは、プロボウラーを目指そうと思ったのかもしれない。その目的によって、記事の内容や結論が変わってくる。
いかに情報を詰め込むかではなく、いかにユーザーの目的を達成できるかを意識しよう。
04. 記事のテイストを決める
記事の内容と方向性が決まったら、テイストを考えていく。検索ユーザーはどのようなスタイルの記事を好むかを調べる、ということだ。
ラッコキーワードで「見出し抽出」を選択すると、そのキーワードでの上位サイト一覧が出てくる。
「
」をクリックすると見出しも表示されるので、上位 10 サイトのデータは見ておくとよい。
ここでのチェックは、上位サイトに書いてあることを模倣するためではない。どのようなテイストが好まれるかを大まかに把握するためだ。各サイトのタイトル・見出しからその傾向を探れる。
ざっとタイトルだけ眺めると、5 位以内の 2 つのページは「10」「8 つ」と数字が入っている。つまり、複数のコツが書かれているということ。

1 位のページの見出しを見てみると、タイトルに数字こそ入っていないものの、こちらも複数のコツが書かれている。

さらに実際の検索結果画面を見てみると、最上部の強調スニペットにはコツのリストと画像が表示されており、ページ中盤には動画も出てくる。動画の内容もリストのようだ。

つまり、記事のテイストは以下の 2 つがベストということ。
「ボウリングにコツなどない!楽しめればそれで OK !」のようなタイトルで記事を書いても、上位表示は難しいだろう。検索ユーザーの疑問や悩みを解決するコンテンツではないからだ。
検索結果から推測できるのは現時点での正解なので、今後は変わるかもしれない。それでも、ユーザーを無視した記事では上位に入れないから、タイトルにキーワードを入れるだけでなく記事の内容そのものもきちんと吟味しよう。
05. 記事の構成を考える
「だれに何を伝えるか」「記事のテイストはどうするか」で、記事の土台ができあがった。その土台をもとに、記事の構成を考えていく。
まず、「ボウリング コツ」の答えを自分で書き出してみよう(※ここで競合サイトの記事を真似しようとする人もいるが、無断転載の低品質コンテンツになるためおすすめしない)。
答えを書き出したあと、検索ユーザーとのズレがないか探って足りない材料を集める。ラッコキーワードの「サジェストキーワード」のほか、「共起語」や「Q & A サイト」も参考にするとよいだろう。


今回は以下のように整理してみた。
これをもとに記事を仕上げてみよう。
記事執筆・公開
だれにでも使える記事執筆の基本形を解説していくので、自分なりに書く順番や全体の構成をアレンジしてほしい。
00. 記事の基本形をマスターする
記事を書き始める前に、ブログ記事の代表的な構成例をおさらいしておこう。

各要素の概要は下表のとおり。
記事タイトル | タイトルは記事の内容を的確に表し、ユーザーの目をひくものにする |
---|---|
アイキャッチ画像 | アイキャッチ画像は記事内容と関連性が高いものを選ぶ |
リード文 | 記事の内容を簡潔に表し、ユーザーに読む理由を与える |
見出し | そのセクションの内容を的確に表したものにする |
本文 | わかりやすさと読みやすさを重視し、文章・画像・動画・表・リストを活用する |
まとめ | 記事の内容を総括し、ユーザーに行動を促す |
ブログ記事執筆は一冊の本を書くのと同じだ。ゼロから自由に書くと手が止まってしまうかもしれないが、「テンプレートを埋めていく」と考えればスムーズに進められる。
ブログ記事 | 本 |
---|---|
記事タイトル | 書籍名 |
アイキャッチ画像 | 表紙 |
リード文 | まえがき |
見出し | 章・節のタイトル |
まとめ | あとがき |
01. 仮タイトルを書く
最初に仮タイトルを決めておく。トピックのキーワードと記事の概要を中心に組み立てよう。
トピックのキーワード | ボウリング コツ 投げ方 |
---|---|
概要 | ボウリング初心者にスコアアップのコツを伝える |
仮タイトルなので、単語(キーワード)を並べただけのようなものでかまわない。ここで時間をかけていたら先に進めないので、あまり考えず「記事のお題」として入れておけば大丈夫だ。
ボウリング初心者 スコアアップのコツ
記事を書いているうちに何かひらめくかもしれないし、全体を仕上げてからじっくり考えればよい。
02. 見出しを書く
仮タイトルを入れたら、次は見出しを入れていく。
「リード文 → 見出し → 本文」と上から順に書いていくのでもよいが、執筆に慣れていないと、途中で脇にそれてしまったり全体の構成がぐちゃぐちゃになってしまうことが多い。
見出しを先に入れて本文を埋めていけば、自然とまとまりのある記事になる。今回はリスト形式の記事なので、先ほど整理したリストをそのまま流用するだけ。
- H2:高得点を出すコツ
- H3:自分に合ったボールを選ぶ
- H3:狙った位置に投げられるようにする
- H3:スペアを確実にとっていく
- H2:ボールを投げるときのコツ
- H3:自分の投げやすい立ち位置を決める
- H3:歩幅を確認してまっすぐ歩く
- H3:ボールの重さを利用して力を抜いて投球する
- H3:手首が折れないように気をつける
見出しが決められないなら、自分の考えがうまくまとめられていないのかもしれない。
ライティングの勉強をする前に、思考を整理する術を学んでおこう。「超・箇条書き」は、思考整理と共に伝える技術を向上させられるおすすめの書籍だ。
03. 本文を書いていく
見出しまで完成したら、見出しにそって本文を書いていこう。読みやすい文章を書くために気をつけたいのは以下の 4 点。
- 適度に改行と段落を入れる
- 一文を短めにする
- 装飾を使いすぎない
- リストや表を活用する
いろいろなサイトを見てまわり、自分が読みやすいと思う書き方を真似してみてほしい(内容を真似するのは NG)。
ライティングノウハウはネットからでも書籍からでも得られるが、インプットだけでスキルは身につかない。初めから完璧を目指さず、試行錯誤しながら文章スタイルを確立させていこう。
04. 画像・動画を入れていく
本文を書いたら、よりわかりやすい記事にするために画像や動画を入れていく。
画像も動画も、文章の何倍もの情報量をもつ。くどくどと長い説明をしなければ伝わらない内容でも、画像 1 枚あればすむかもしれない。
ユーザーは、あなたの記事を読みたくて訪れているわけではなく、自分の疑問や悩みを解決したくて訪れている。その解決を全力でアシストしている記事は繰り返し読まれるし、検索評価も高くなるだろう。
読んでわかる記事ではなく、「見てわかる記事」を目指してほしい。
挿絵としてフリー画像を多用する人もいるが、記事とは関係のない画像は使わないほうがよい。見出しごとにいれたところで SEO 効果はないし、ユーザーの離脱率を高めてしまうだけだ(日本語ブログなのに外国人ばかり出てきたら違和感しかない)。
ページの滞在時間を伸ばしたい、という理由だけで YouTube 動画をたくさん埋め込むのも逆効果。検索順位を上げるためではなく、ユーザーにとって必要かで考えよう。
レビュー記事なら自分で写真や動画を撮り、説明記事なら自分で図解を作るのがベストだ。
05. まとめを書く
「まとめ」は記事の結論を伝え、ユーザーに行動を促す役割をもつ。
今回のボウリング記事であれば、見出しにしたコツをそのままリストで載せておけばわかりやすい。
ボウリング初心者でも高得点を出すコツは以下の 7 つです。
- 自分に合ったボールを選ぶ
- 狙った位置に投げられるようにする
- スペアを確実にとっていく
- 自分の投げやすい立ち位置を決める
- 歩幅を確認してまっすぐ歩く
- ボールの重さを利用して力を抜いて投球する
- 手首が折れないように気をつける
さっそくボウリング場に行って練習しましょう!
ブログの関連記事や YouTube チャンネルに誘導してもよいし、DVD などのアフィリエイトリンクを載せておくのもよいだろう。
ユーザーの目的に合わせて提案するのがベストだ。
06. リード文を書く
記事本体が完成したら、リード文を書く。記事の概要を伝え、ユーザーに読む理由を与える重要な部分だ。
書き方に決まりはないが、迷ったときは以下の「PAS フォーミュラー」を使ってみよう。
- Problem:読者が抱えている問題を共有する
- Agitate:その問題点を掘り下げ、共感を得る
- Solve:解決策(が記事に書かれていること)を伝える
以下は PAS をもとに作成したサンプル。
「ただ球を転がす」だけのボウリングは、簡単なように見えてけっこう難しいですよね。
投球時のフォームやピンの狙い方、ボールの選び方など、ボウリングには多くのコツがありますが、初心者にはそれすら難しく思えるものです。隣でストライクをガンガン出しているのを見て、自分には運動神経がないのかなぁと落ち込んだりしていませんか?
この記事では、ボウリング初心者が今すぐに高得点を出すためのコツを紹介しています。基本をおさえておけば、運動神経なんか関係ありません。あなたもストライクを量産できますよ!
核となる部分は記事本文で伝えているから、リード文はスッキリ短めにおさえておこう。ここでだらけてしまうと、記事を読む前に離脱されるかもしれない。
07. タイトルを確定し、全体を推敲する
最後に、仮タイトルを見直し、全体を推敲してから公開する。
とくに違和感がなければ仮タイトルをそのまま使ってもよい。読まれるタイトルの付け方は、以下の記事で詳しく解説している。
推敲のさいは、音読するとおかしな言い回しや誤字脱字に気づきやすい。記事完成後にすぐ公開するのではなく、一晩おいてから読み直すと客観的にチェックできるのでおすすめだ。
本ガイドのとおり進めれば、クオリティの高い記事が書けていると思う。だれかの役に立つものと信じ、自信をもって公開しよう。
記事公開後の作業
記事公開後にもいくつかやっておくことがある。読まれる記事にするために、最後まで手を抜かず取り組もう。
01. スマホでチェックする
記事執筆・プレビューの確認はパソコンや大型タブレットで行うことが多いと思う。
しかし、ユーザーの大半はスマホでブログを読むから、自分もスマホで記事をチェックしたほうがよい。とくに気をつけるのは、以下の 4 つ。
- 画像内の文字は問題なく読めるか
- 表やボックスのデザインが崩れていないか
- 意図しない部分で改行されていないか
- リンクは問題なくタップできるか
パソコンではきれいに見えても、スマホだと崩れている、ということはけっこうある。

また、スマホにはカーソルがないため、タップして初めてリンクとわかることがある。一見してタップできるとわからない要素(バナー画像など)がないかチェックしておいてほしい。
02. 関連性の高い記事からリンクする
ページの下部やサイドバーに新着記事・関連記事を載せておいても、ほとんどのユーザーはクリックせずに離脱する。
本文内のリンクが最もクリックされるから、関連性の高い記事はリンクでつなげておこう。
「新記事 → 過去記事」のリンクは入れていても、「過去記事 → 新記事」のリンクを入れていないブログをよく見かける。記事数が増えてくるとリンク先を探すのも一苦労だが、それはユーザーも同じことだ。
ユーザーが記事を探す手間を省き、次からつぎに記事を読んでくれるようにしておきたい。適切なリンクは検索評価にも大きく影響する。
03. Search Console でインデックス登録をリクエストする
ブログ記事が検索結果に出てくるまで、いくつかのプロセスがある。
- 検索エンジンが記事の存在を発見する
- 記事にアクセス(クロール)して内容を確認する
- 検索インデックスに登録する
- キーワードに基づいて検索結果に表示する
ブログを始めたばかりであれば、検索エンジンが公開した記事に気づいてくれるまで時間がかかる。こちらから記事の存在を伝え、いち早くクロールしてもらえるよう働きかけておくとよい。
Search Console で XML サイトマップを登録しておき、インデックス登録のリクエストもしておくと万全だ。
04. 必要に応じて宣伝する
検索エンジンに更新情報を伝えても、ユーザーに届くまでにはさらに時間がかかる。
すぐに読んでもらいたいなら、Twitter やランキングサイトを活用しよう。そこから被リンク獲得につながれば、検索順位にも良い影響を及ぼす。
良い商品を作るだけでは売れないのと同じように、良い記事を書くだけでは読まれない。リピーターが繰り返しアクセスしてくれるようになるまでは、積極的なアピールも必要だ。
05. アクセス解析をもとにリライトする
書籍とは違い、ブログ記事は何度でも書き直せる。
記事公開直後はとくに有用なデータはないから、数ヶ月後にアクセス状況を見て、自分の意図した結果が得られているか確認しよう。
検索順位が低いままなら、記事タイトルが悪かったのかもしれないし、検索上位サイト以上の情報がなかったのかもしれない。関連記事の足りなさが影響していることもある。
記事公開から数ヶ月たっていればあなたは確実に成長しているから、そのレベルで記事を見直してみてほしい。ユーザーに最適な情報を届けられるまで、何度も繰り返し記事を改善していけば、良い結果につながるはずだ。
ブログの書き方まとめ
記事を書く前のキーワード調査で「キーワードだけ見てユーザーを見ていない」ケースは少なくない。
検索ボリュームや競合性ばかりに目を向けるのではなく、「この記事を読む人は何を必要としており、どうなりたいのか」に焦点を当てよう。端的にまとめると、記事を書くプロセスは以下の 3 つだ。
- キーワードツールでトピックを探す
- そのキーワードで検索する人の背景を考える
- 再びキーワードツールで深掘りして、あなたとユーザーとのギャップを埋める
この事前準備が何より重要で、最も時間のかかる部分だ。準備さえ終わってしまえば、執筆自体にそう時間がかからないと思う。
あなたの記事を求めているユーザーのために、インプットとアウトプットを繰り返してブログの書き方をマスターしていこう。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。
ブログ運営でお悩みの方へ
ブログ初心者を対象に、無料でブログ診断を行っています。
「アクセス数が伸びない」「検索にインデックスされない」「Google AdSense 審査に通らない」といったお悩みがあればぜひご利用ください。問題の原因を探り、それぞれに合わせた解決策をご提案します。