- ブログが検索インデックスに登録されない原因は様々で、対策も異なる
- 個人ブログは技術的な問題が原因ではなく品質に問題があることが多い
- Search Console でインデックス登録をリクエストするだけでは不十分
「ブログ記事を公開したのに Google 検索のインデックスに登録されない」という相談が 2021 年から急増した。その後、「インデックス登録されたけどすぐに消えてしまった」という悩みも多くなっている。
原因を探って対策するために、そもそもインデックスとは何なのか、どういう仕組みになっているのか、という基礎知識が必要だ。検索サイトからの流入を伸ばしていくために、正しい SEO 知識を身につけておこう。
なお、結論から言ってしまえば 9 割以上は品質の問題で、技術的な問題が原因であるケースはほとんどない。
本記事はブログ初心者向けの解説のため、robots.txt によるクロール制御やメタタグによるインデックス制御などは扱っていません。
目次
インデックス登録に関するよくある質問
Google 検索のインデックス登録に関して、相談件数の多かった事項をまとめておく。
インデックス登録されないとどうなりますか?
インデックス登録されないと、自分のブログが検索結果に表示されない。検索ヒットまでにいくつか過程があるから、検索の仕組みを勉強しておくのがおすすめ。
インデックス未登録なのはなぜですか?
技術的に問題が発生している場合もあるが、ページの品質に問題がある可能性が高い。そもそもインデックス登録の必要がないページもある。Search Console で状況をチェックしてみよう。
インデックスさせる方法はありますか?
技術的にも品質的に問題なければ、クロール最適化を行い、インデックス登録をリクエストしておこう。
Google 検索にブログ記事が掲載される仕組み

Google 検索の仕組みは、Google が公開している。まだ読んだことがなければ公式の情報を一通り読んでおこう。理解しにくい点もあるかもしれないが、ネット上に転がっているいい加減な情報よりも正確だ。
「インデックスに登録される」とは
インデックス(登録)とは、Google が自身のデータベースにそのページの情報を保存する、という意味。
通常、Google 検索結果に表示されるまでに 5 つのプロセスがある。すべてを暗記する必要はないが、段階があることは覚えておこう。
Google がリンクや XML サイトマップを通して Web ページを発見し、その URL をリスト化する。これからクロールするページの一覧がある、というイメージ。
クローラー(Googlebot)がクロールキューのリストを巡回して情報を収集する。そこで新たなリンクが見つかったときは、クロールキューに追加。
インデクサーがレンダリング(人が見るのと同じページを再現する)を行う。
1 ~ 3 の行程(これをまとめて「クロール」と称することが多い)で収集した情報をデータベースに登録する。
ユーザーが Google で検索したとき、そのキーワードに応じて最適な Web ページをインデックスから探し出して表示する。検索順位はアルゴリズムによって自動的に決定。
以上のプロセスから、検索してもヒットしない原因は 5 パターン考えられる。
- 記事の存在が知られていない
- クロールされていない
- クロール後にインデックス登録されていない
- インデック登録されているのに順位がかなり下になっている
- 手動ペナルティにより検索から除外されている(本記事では割愛)
最低でも、「検索ヒットしない ≠ インデックス登録されていない」ということは覚えておいてほしい。ここを混同していると最適な対策ができなくなってしまう。
自分のブログ記事が検索で見つからない状態は、「検索に引っかからない」「検索に出てこない」「検索でヒットしない」などいろいろな言い方がある。本記事では「ヒットしない」で統一する。
インデックスに登録されているか確認する方法
自分の記事がインデックス登録されているかのチェックは、実際に検索してみるのが早い。ただし、検索の仕方にコツがある。
症状 | 原因 |
---|---|
記事の URL で検索してもヒットしない | クロールされていない インデックス登録されていない |
記事タイトル全文で検索してもヒットしない | クロールされていない インデックス登録されていない |
記事タイトル全文で検索しても 1 位ではない | 検索評価が低い |
特定のキーワードで検索にヒットしない | 検索評価が低い 記事が検索意図に合っていない |
記事の URL を検索してヒットするか、が最も簡単なインデックス判別方法だ。インデックス登録されていれば、通常は検索 1 位に表示される。
検索ヒットしない場合は、クロールされていないか、クロールされたけどインデック登録されていないか、のいずれかと考えよう。

Search Console で確実にチェックする方法
自分の記事がどのような状態にあるか、Google Search Console でチェックするのが最も確実だ。
URL 検査
Search Console には、ページごとの状況をチェックできる「URL 検査」機能がある。上部の入力欄にチェックしたい記事の URL を入力しよう。

検査結果のメッセージは、以下の 4 つ。
- URL は Google に登録されています
- URL が Google に認識されていません
- 検出 – インデックス未登録
- クロール済み – インデックス未登録
URL は Google に登録されています
インデックスに登録済みの場合は、以下のとおり「URL は Google に登録されています」という表示になる。

なお、Search Console で「登録されています」と表示されていても、実際に URL で検索してヒットしない場合もある。これは Google のタイムラグによるものなので、数時間待って再検索してみよう。
URL が Google に認識されていません
「ページはインデックスに登録されていません:URL が Google に認識されていません」は、クロールキューに URL が追加されていない状態を指す。

検出 – インデックス未登録
「ページはインデックスに登録されていません:検出 – インデックス未登録」は、クロールキューに URL が追加されているがまだクロールしていない状態を指す。

クロール済み – インデックス未登録
「ページはインデックスに登録されていません:クロール済み – インデックス未登録」は、クロールしたがインデックスに登録していない状態を指す。

インデックス登録レポート
1 ページずつ URL 検査をしていくのは、かなり時間がかかる。ブログ全体の状況をチェックしたいときは、Search Console 画面の左側にある「インデックス」から「ページ」を選択しよう。
インデックス未登録のページが確認できる。

各ステータスの詳細は以下の記事で詳しく解説している。
一覧で確認できて便利だが、注意点が 2 つあるので気をつけてほしい。
- クロールキューに追加されていないページは確認できない
- リアルタイムで反映されない(インデックス登録済みの場合がある)
現時点での正確な状況を把握したいときは、面倒でも URL 検査を使おう。
このように、どこで問題が起きているかを Search Console でチェックできる。その問題に対する具体的な施策を解説していく。
クロール最適化
Google 検索にインデックスされるために、「記事を見つけてもらう」「記事をクロールしてもらう」ためのクロール最適化が必要だ。
WordPress を含む一般的なブログは、よほど変な構成になっていないかぎり全記事にリンクがつながるようになっている。最低限、以下の点だけチェックしておこう。
- ヘッダーメニューから重要なページ(=カテゴリーページ)にリンクしているか
- サイドバーなどからも重要なページにリンクしているか
- ホームページで新着記事を表示しているか
- 関連性の高い記事同士が内部リンクでつながっているか
Google は必要に応じて同じページを定期的にクロールする。そのとき新しい URL を発見してくれるので、とくに対策を考える必要はない。

しかし、ブログ開設直後や全体の検索評価が低いときはクローラーがなかなか来てくれない。
サイトやページが新しい場合は、まだクロールやインデックス登録自体が行われていないことが理由で、Google インデックスに含まれていない可能性があります。新しいページが公開されてから Google によるクロールが行われ、さらにインデックスに登録されるまでには、しばらく時間がかかります。インデックス登録が完了するまでにかかる時間は、一般的に合計で 1 日から数週間と、さまざまな要因によって変動します。
Google 検索で自分のページが見つからない場合 – Search Console ヘルプ
そんなときはクローラを呼び込む 2 つの方法を試してみてほしい。
- Search Console から XML サイトマップを送信する
- Search Console でインデックス登録をリクエストする
XML サイトマップを送信する
クローラーは、リンクのほかに「XML サイトマップ」からも URL を発見する。
WordPress は自動的に XML サイトマップを生成してくれているから、それを Search Console から送信しておこう。URL は以下のとおり(※プラグインで生成している場合は URL が変わる)。
https://example.com/wp-sitemap.xml
加えて、記事の更新通知を配信している RSS フィードもサイトマップとして送信できる。パーマリンク設定によって多少異なるが、URL は以下のようになっているはずだ。
https://example.com/feed/
Search Console 左メニューにある「サイトマップ」に入り、XML サイトマップと RSS フィードを両方送信しておこう。

数百記事ぐらいのブログであれば、XML サイトマップを送信しなくてもきちんとクロールしてくれる。サイトマップを作成しないと検索順位が上がらないなど、間違ったノウハウを信じている方もいるので気をつけてほしい。
サイトマップ送信は、あくまでページを発見し、クロールしてもらうための手段だ。ランキング要因になっているわけではない。
ちなみに、Google AdSense 審査に XML サイトマップの有無は関係しない。なぜか誤解している方が多いので念のために付記しておく。
インデックス登録をリクエストする
ブログ記事がクロールされていないとき、URL 検査では「URL が Google に認識されていません」「検出 – インデックス未登録」のどちらかとなる。
その画面にある「インデックス登録をリクエスト」をクリックすると、クローラーを呼び込める。

いつまでたってもクローラーが来てくれないのであればリクエストしておこう。
複数回リクエストしても優先順位が上がるわけではないので、1 回クリックしておけば大丈夫だ。明記されていないが、1 日のリクエスト回数に上限が設定されているから連打するのはやめたほうがよい。
ブログの場合、技術的な問題が原因でクロールされない、というケースはほとんどない。定期的にクロールする価値があると認識されるまで、地道にブログを育てていくのがベストだ。きちんと運営していけば、インデックス登録をリクエストしなくてもすぐにクロールしてくれるようになる。
インデックス最適化
クロールされているけどインデックス登録はされていない、というのはよく聞く悩みだ。Search Console では「クロール済み – インデックス未登録」として表示される。
クロール最適化と同じく、URL 検査からインデックス登録をリクエストできる。ただ、何度リクエストしてもインデックスに登録されないかもしれない。
その原因が技術的な問題である可能性は低く、記事の品質に問題があると判断したほうがよい。
インデックス不要なページは無視しておいて OK
インデックス登録を試みる前に、注意してほしいことがある。たとえ Search Console で指摘されていたとしてもすべてのページをインデックス登録させる必要はない、という点だ。
エラーと勘違いし、放置しておくと SEO に悪影響なのではと心配される方もいるが、あくまで検索状況を示しているにすぎない。
Search Console 「ページのインデックス登録」から、「クロール済み – インデックス未登録」の行をクリックしてみよう。

以下のように、RSS フィードが対象となっている場合がある。

WordPress であれば、以下のページが表示されていることが多い。
- RSS フィード(URL に feed が含まれる)
- JS ファイル(URL の末尾が .js)
- 削除した記事
- その他、作成した覚えのないページ
こうしたページをインデックス登録させる(検索にヒットさせる)必要はないので、このまま放置しておいてかまわない。対応すべきなのは公開している記事ページだけ、と覚えておいてもよい。
詳細は以下の記事で解説している。
インデックスされるためには高品質な記事が必要
結論から言うと、インデックス登録してもらうには「検索ユーザーが必要とする高品質な記事」に仕上げるしかない。
いくら Google と言えど、情報を無限に保存しておけるわけではない。発見しているページだけで「兆」を超えており、さらに毎日新しいページが生成されているため、選別してからインデックスに登録しなければあっという間にパンクしてしまう。
したがって、「すでに検索で十分な答えが得られる情報」を記事化しても省かれる可能性が高い。記事執筆にあたって競合サイトを調査しているかもしれないが、競合サイトに書かれているのと同じかそれ以下のコンテンツを作成してもインデックス登録されないのは当然である。
何らかの方法で無理やりインデックス登録させる方法があったとしても、水準に達していないページは容赦なく削除される。そのような行為を繰り返していたらスパムサイトと判定されるかもしれない。
品質を数値化することはできず、何か一つの施策を行えば大丈夫というものでもない。記事全体・ブログ全体の品質を改善していかなければインデックスに登録されることはないのだ。
Google が公開している品質改善のためのガイドラインは必ず目を通しておこう。一筋縄ではいかないのがよくわかる。
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
繰り返しになるが、インデックス登録されないのは技術的な問題ではない。インデックス登録済みの他サイトのページと比較して劣る部分があるため、だ。
ランキング最適化
インデックス登録された時点で、最低限の品質水準に達していると考えてよいだろう。しかし、検索サイトからの流入を増やすためにはさらなる努力が要る。
Search Conosle のヘルプに記載されている「掲載順位が低下する原因」を見てみよう。
他のサイトの品質や関連性が向上している。シークレット モードでいくつかのキーワード検索を実行して、ご自身のサイトよりも掲載順位が優れているサイトを確認し、その理由を考えてみます。他のサイトは、ご自身のサイトよりも有用で、充実した、または最新の情報を掲載していませんか?
サイトのコンテンツが古くなっているか、正しくない、または以前よりも有用性が低下している。サイトには、正確かつ有用で最新の情報を掲載するようにしてください。
サイトのトラフィックが減少した理由 – Search Console ヘルプ
検索順位は相対的につけられるものだ。何か一つの施策だけで上位を目指すのは不可能に近く、やれること・やるべきことをすべて実施するぐらいでなければ勝てない。
また、「何を書いているか」だけではなく「だれが書いているか」も重要な指標となっている。キーワードによっては、どこのだれが書いたかわからない素人意見の記事は上位にまったく出てこない。「YMYL」と呼ばれる領域だ。
「がんの治療記録など、健康関連のジャンルで何とか上位表示したい」と相談されることもあるが、残念ながらほぼ不可能と思ってほしい。そうしたジャンルでブログを書きたいなら、検索以外の流入を増やす方向性で考えよう。
Google のシステムでは、人々の健康、経済的安定性または安全、あるいは社会の幸福感や福利に大きく影響する可能性のあるトピックについて、E-A-T が優れたコンテンツを重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます。
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
YMYL 以外のジャンルでインデックス登録後の検索順位が低いままなら、それだけ改善する余地がたくさんあるということだ。何度も記事を読み直し、ユーザーのためにひたすら改善していこう。
さいごに
「インデックス登録されないときは Search Console からリクエストすれば OK」と考えている方も多いが、これまで解説してきたように状況によって最適な施策は異なる。あっさりインデックス登録される場合もあれば、何度リクエストしてもまったく変化なしという場合もあるはずだ。
端的にまとめると、検索ヒットするために必要なのは以下の 3 点。
「価値」というのはとても曖昧な表現だが、まずは自分の書きたいことではなく検索ユーザーの知りたいことを書けるレベルを目指してほしい。
インデックス登録も検索上位もゴールではない。ブログの目的・目標をしっかり見据えながら、一歩ずつ前進していこう。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
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