ブログの記事タイトルはとても奥が深く、たった数文字の変更で SEO(検索順位やクリック率)に大きく影響する。検索だけではなく、SNS でシェアされることも考えると魅力的なタイトルは欠かせない。

ユーザーの目的を達成する質の高い記事を書くことは大前提だが、どんなに素晴らしい記事を書いても記事タイトルの付け方で失敗すると読まれる確率はガクンと落ちてしまう

では、どのようなタイトルを付ければユーザーの目を引くことができるのだろうか。本記事では 4 つのコツを解説しているのでぜひ参考にしてほしい。具体的なサンプルも掲載している。

読まれるブログ記事タイトルを付ける 4 つのコツ

効果的なブログ記事タイトルを付けるために、次の 4 つをおさえておこう。

  1. 40 文字を目安に「見せる」ことを意識する
  2. 記事タイトルはキャッチコピーと考える
  3. ユーザーを具体的にイメージする
  4. どこに焦点を当てるのか考える

それぞれ具体的に見ていこう。

40 文字を目安に「見せる」ことを意識する

記事タイトルは 32 文字を目安にする、というノウハウを目にしたことがあるかもしれない。

これは「Google の検索結果」と「はてなブックマーク」で表示されるタイトル部分の文字数から導き出された数字だ。32 文字におさめれば検索評価が上がる、という意味ではないので注意しよう。

現在はスマホと PC で検索結果の表示が異なっており、さらに検索結果画面の表示は頻繁に変更が加えられている。また、はてなブックマークだけではなく Google Discover などアクセスの起爆剤となるサービスが増えている。と考えると、もはや「32 文字」にこだわる必要はないだろう。

たとえば、Google Discover では以下のとおり 60 文字近く表示される。

Google Discover 表示例
Google Discover は 60 文字近く表示される

WordPress では記事タイトルの文字数に制限はないし、検索においても長いタイトルだけが原因で評価・順位が極端に下がるということはない。無理やり 32 文字に収めようとして不自然な日本語になるぐらいなら、50 文字になってもよいから適切なタイトルにするべきだ。

しかし、記事タイトルが 100 文字以上にもなると、タイトルとしての意味を成していないと言える。そこまで長くなると検索結果でタイトルがすべて表示されることはないし、ユーザーも読む価値があるか判断しづらい。

あまりに短い文字数で記事の内容を的確に表すことは難しいが、「読ませる」のではなく「見せる」ことを意識してみよう。Yahoo! ニュースのトピックスが、見せることを意識して 13 文字を上限としているのは有名な話だ。

ネット媒体の場合、文字を読ませるというのは、結構大変な作業だと思います。サイトの性格にもよると思いますが、トピックスの場合は、文字を「読ませる」というよりは、文字を「読ませる」というよりは、「見せる」という意識でやっています。空間的な制約もありますが、短時間で情報を咀嚼しようとしたときに、一目でわかるということの方がネット媒体の場合は大切ではないでしょうか。

Yahoo!ニュース トピックスが13文字である理由 (1/4):MarkeZine(マーケジン)

ブログの記事タイトルを 13 文字に制限する必要はないが、検索結果や SNS など、どこで表示されても必ず見える前半部分(おおむね 20 文字ぐらい)は重視してほしい。

「タイトルの前半にキーワードを配置する」という古くから語り継がれているノウハウも、検索順位向上のためではなく、読者に「自分が探し求めている情報がそこにある」と思ってもらうための施策だ。

記事タイトル前半を重視しつつ、トータルで 30 ~ 40 文字前後を一応の目安として考えておくのがよいだろう。なお、本記事のタイトルは 28 文字である。

記事タイトルはキャッチコピーと考える

ブログ記事タイトルは、作文や論文などの題名と同じではない。読者を惹きつけるためのキャッチコピーと覚えておこう。

つまり、記事の内容を表すだけではなく、読者に興味を抱かせて記事を開いてもらう役割を担っているということだ。

「WordPress ブログのアクセスアップ」について記事を書くと仮定しよう。作文・論文感覚だと、次のようなタイトルが思いつくのではないだろうか。

WordPress のアクセスアップを考える

作文は先生が読んでくれる・みんなが聞いてくれる、ということが確定しているからこれでも問題ない。わざわざ目を引く必要はなく、作文のテーマを的確に表していれば評価が高くなる。

しかし、ブログは作文とまったく違う。記事を公開すればだれかが必ず読んでくれるわけではなく、「記事の存在を知る」「記事を読むべきかタイトルで判断する」という 2 つの壁があるのだ。記事タイトルは、その両方に関わってくる。

検索結果や SNS で記事タイトルが表示されたとき、どうすればユーザーに興味を持ってもらえるかを考えよう。すなわち、キャッチーなタイトルが必要だ。

ユーザーを具体的にイメージする

記事そのものにも言えることだが、これから公開する記事をだれに読んでほしいのか考えてほしい。まったくイメージできない不特定多数の人に読んでほしい、という記事には最適なタイトルが付けられない。

初心者に向けたものであれば、それをタイトルに入れてみよう。

WordPress 初心者がアクセスアップを考える

上記の例は「初心者」というワードが入っているから良さそうに見えるが、主役が自分になっており、ユーザーのことは考えられていない。これでは作文の題名と同じだ。

記事タイトルは、自分に向けて書くのではなく相手に向けて発信するものと覚えておこう。それを踏まえて改善すると、以下のようになる。

WordPress 初心者必見!アクセスアップするための方法を教えます

さらに一歩踏み込んで、「WordPress ブログのアクセスアップについて知りたい初心者はどのような言葉で検索するか」も考えてほしい。つまり、キーワードだ。

「アクセスアップ」ではなく、「アクセスを増やす」や「訪問者を増やす」で検索するかもしれない。あるいは、「アクセスが増えない」や「読まれない」というネガティヴな言葉かもしれない。そのうちの一つを含めると、以下のようなタイトルになる。

WordPress 初心者必見!読まれないブログのアクセスアップ方法を教えます

キーワードツールを使えば、どのフレーズでどの程度検索されているか、というのは調べられる。しかし、ユーザー像が具体的にイメージできていないとそのデータを活用しきれない。

キーワードだけを見るのではなく、検索する人のことを見よう。

高品質コンテンツとは?ブログ初心者が意識すべきポイント

どこに焦点を当てるのか考える

「記事タイトルにはキーワードを入れる!」だけを意識すると、重要そうなキーワードをあれもこれも詰め込んでしまいがちだ。

前述の「アクセスアップ」の言い換えもそうだし、「WordPress ブログのアクセスアップ方法」は数え切れないほどある。もしポイントを絞らず広範囲にカバーする記事を書く場合、すべてのキーワードをタイトルに入れるとどうなるだろうか。

WordPress 初心者がブログのアクセス数を増やすためには必要なのは SEO?SNS?Google Discover?本当に効果的なおすすめの対策法とは!

焦点がボケており、ユーザーの目を引くことはできない。「?」の多用により、安っぽくも見える。

記事の内容にもよるが、仮に SEO をメインにしたものならそこに焦点を当てたタイトルにしよう。その他は最重要ではないので、最後にさりげなく加えておく形で問題ない。

WordPress 初心者必見!ブログのアクセス数を増やすために最低限必要なSEO施策+α

タイトルの焦点がボケるということは、記事そのものがボケている可能性もある。SNS の活用やリピーターを増やしてアクセス数を伸ばす記事は、別記事として公開したほうがよいかもしれない。

アクセスアップという曖昧なトピックではなく、もっと絞りこんで深く掘り下げた記事にしたほうが読者からも検索エンジンからも好まれる。ブログは「1 記事 1 テーマ」で考えよう。それらの記事を「アクセスアップ」というカテゴリーでまとめておくのが理想的な形だ。

広く浅く、ではなく、狭く深くを意識しよう。

今すぐ応用できるブログ記事タイトル例

4 つの基本をおさえていれば、今までと比べて数段レベルの高い記事タイトルをつけられるだろう。そうは言っても、記事タイトルの付け方には正答がなく、これでよいのか悩むことも多いはずだ。

ここからは、いくつかのテクニックを交えた具体例を紹介していくので参考にしてほしい。

「WordPress アクセスアップ」について書かれた記事のタイトルを改良していく。

パターン1
対義語・反対語を組み合わせる

反対の意味をもつ語句を組み合わせる方法は、初心者でも簡単だ。

アクセスが「増える」方法を伝えるなら、「減る」という言葉を入れてみよう。ネガティヴなフレーズで検索されるときもカバーできる。

WordPress のアクセス数が減っているあなたへ!効果的な増やし方を教えます

パターン2
カンタンをアピールする

記事で触れている内容が簡単であることをアピールすると、ユーザーの目を引きやすい。

どれほど簡単にできることなのかを具体的にイメージしてもらおう。「簡単」という言葉は人によって認識が違うから、数字にするのがおすすめだ。

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パターン3
数字で具体的に伝える

パターン 2 のように、タイトルに数字を入れるのは王道パターンだ。

ただ数字を使うだけではなく、掛ける割る、単位を変える、といろいろ変換してみよう。どれが一番インパクトのある数字になるのか比べてみてほしい。

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数字だらけになると、くどくて難解なイメージを与えるかもしれない。また、記事一覧に並んでいるタイトルが「○つの方法」「○つの秘訣」ばかりだったら、ワンパターンすぎてキャッチコピーと言えなくなる。

無理やり数字を入れて不自然にならないよう気をつけよう。

パターン4
読者像をもっと明確にする

初心者を対象にするとしても、初心者の定義自体あいまいなものだ。たとえば、以下の 2 つはどちらも初心者に該当する。

  • ブログを 10 年以上書いているけど WordPress は使い始めたばかり
  • 仕事で WordPress を扱っているけどブログを書いたことはない

ただ「初心者」を対象とするのではなく、ユーザー像をもっと掘り下げてみよう。

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コツの部分で触れたように、焦点は絞ったほうがよい。不特定多数を意識するということは、記事に対して不満を持つユーザーを増やすことにもなる。アバウトなイメージではなく、「たった一人に満足してもらう」ことを意識してほしい。

パターン5
実際に検索されているキーワードをそのまま使う

ツールで関連キーワードを調べ、実際に検索されているフレーズでタイトルを組み立てることもできる。

Ubersuggest で「ブログ アクセス数」のキーワード候補を見ると、「ブログ アクセス数を増やすには」というフレーズが出てきた。

検索意図とズレないよう注意しながら、このフレーズを直接入れてみよう。

初心者が WordPress ブログのアクセス数を増やすには 3 つの施策が必要!

キーワードだけ見ても上位に入れない。検索ユーザーは何が知りたくて「ブログ アクセス数を増やすには」で検索したのか、その背景をイメージできればタイトルも記事も最適なものとなる。

パターン6
未来を想像してもらう

アクセスアップの「先」を伝えるのも、ユーザーの目を引く効果がある。

アクセスアップについて知りたい方は、なぜブログのアクセス数を増やしたいと思っているのだろうか。もしかすると、収入を増やしたいのかもしれない。その場合は以下のようなタイトルになる。

WordPress ブログのアクセス数を 5 倍にしたら年収が 10 倍になるカラクリとは

結局は、検索ユーザーが何を求めているのか、という部分が要になってくる。ユーザーの目的を理解し、その答えが記事に書かれていることをタイトルで伝えよう。

ブログ記事タイトルに関する Q&A

Q

ブログ記事タイトルの最適な文字数は?

A

永らく「32 文字以内」というノウハウが定着していたが、現在はその文字数にこだわる必要はない。パソコンとスマホで検索結果の文字数は変わるし、検索以外での表示も考慮しよう。あまりに長すぎるとタイトルの意味を成さないため、長くても 40 文字前後で考えるとよい。

Q

記事タイトルを頻繁に変更しても問題ない?

A

「検索上位を狙うためだけの施策」は逆効果となる可能性が高い。したがって、毎日のようにコロコロ変えるのはおすすめしない。検索評価が固まるまで数ヶ月かかることもあるから、しばらく様子を見るのが賢明だ。公開直後に誤字脱字に気づいて修正するのはまったく問題ない。

Q

「SEO タイトル」は入力したほうがよいのか

A

テーマやプラグインによっては、「記事上部に表示されるタイトル <h1>」と「検索向けのタイトル <title>」を別々に設定できる。一般的なブログであればとくに調整する必要はない。

さいごに

ブログの記事タイトルを付けるコツは以下の 4 点だ。

  1. 40 文字を目安に「見せる」ことを意識する
  2. 記事タイトルはキャッチコピーと考える
  3. ユーザーを具体的にイメージする
  4. どこに焦点を当てるのか考える

一瞬でタイトルが決まることもあるが、たいていは何十パターンも候補を出すことになるだろう。魅力的なタイトルは、そう簡単に付けられるものではない。

タイトルが正しいかどうかは、公開してみて初めてわかることだ。タイトルの付け方に何日も悩むぐらいなら、いったん公開してあとから修正したほうがよいだろう。ブログ記事は、公開して終わりではない。試行錯誤を重ねながら、自分なりのパターンを完成させていこう。

ブログ記事の最適な文字数目安は?長文コンテンツほど検索上位になりやすいのか

Reinx 記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。

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