アフィリエイトは、ブログ収益化の王道とも言える手法だ。商品やサービスの紹介リンクを掲載し、そのリンクを経由して購入や申込みがあるとブログ運営者に報酬が支払われる。
しかし、ただアフィリエイトリンクをベタベタ貼ればよいというものではない。アフィリエイトで稼ぎたいなら、最低限の基礎知識をおさえておこう。
本記事は、アフィリエイトの始め方ではなく、「いざアフィリエイトリンクを入れてみたもののまったく成果につながらない」と悩んでいるブロガーに向けた初級編の内容となっている。ノウハウを習得して、ぜひ脱初心者を目指してほしい。
目次
アフィリエイト初心者によくある勘違い
アフィリエイトで稼げない理由は、「アクセス数が少ないから」や「買いたくなるように誘導していないから」だと思っているかもしれない。しかし、それは大きな勘違いだ。
アクセスや誘導も重要なのだが、それはもう少しレベルを上げたあとの話。今取り組むべきところは、ほかにある。その勘違いを修正しないまま進めると、以下のような状態になってしまう。
レベルが上がれば穴場探しやキーワード選定に力を入れてもよいが、これも今やるべきことではない。最初は次の 2 つをクリアすることだけに集中しよう。
アフィリエイトで稼ぐための基本
ほしいと思っている人を集める
安定した収益を得るには、検索サイトからの流入が欠かせない。なぜならユーザーの目的がハッキリしているからだ。
Twitter など SNS やランキングサイトから訪れてくれる方は、「何となく」であったり「暇つぶし」であったりと、目的が定まっていない。音がないと寂しいからテレビをつけているのに近い。
対して、検索ユーザーは目的があるから検索している。その目的を検索意図と呼び、大きく以下の 3 つに分けられる。
分類 | 目的 | キーワード例 |
---|---|---|
Know クエリ | 何かを知りたい・解決したい | WordPress 画面 真っ白 |
Go クエリ | 特定のサイトに行きたい | Google(サイト名) |
Do クエリ | 何かをしたい・買いたい | ERGO M575 レビュー |
検索意図は明確に分かれるのではなく、複合する場合もある。たとえば「価格.com マウス」というキーワードであれば、「価格.com に行きたい(Go クエリ)」「マウスを買いたい(Do クエリ)」という 2 つの意図があると推測できる。
アフィリエイトで真っ先に狙うべきは、Do クエリだ。つまり、何かをほしいと思っている人に対して記事を書く、ということ。
Do クエリの検索ボリュームはそれほど多くなく、商品やサービスによっては競合も強い。ゆえにライバルの少ない Know クエリから攻めたくなるかもしれない。その場合はそれなりのアクセスが必要になるし、ほしいと思わせる誘導も必要だ。
しかし、Do クエリの場合は「商品がほしい」という明確な意図があるから、それほど多くのアクセス数を必要としない。また、ほしいと思っているのだからそれ以上誘導する必要もない。
まずは Do クエリを狙った記事を書いてみよう。ここをクリアしておかないと、どんなにアクセスを集めたところで「アクセスはそれなりだけど全然売れないブログ」になってしまう。
自分が使って本当に良かったと思うものを紹介する
Do クエリを狙う記事では、自分が実際に使った商品やサービスを紹介しよう。まったく使ったことのない商品を紹介しても、まず売れない。その理由は以下の 2 点。
- 検索評価が上がらない
- 記事の熱量が低くなってしまう
検索においては、「内容の薄いアフィリエイトページ」がスパムとして定義されている。
内容の薄いアフィリエイト ページとは、商品のアフィリエイト リンクを含むページです。商品の説明やレビューは元の販売者から直接コピーされていて、独自のコンテンツや付加価値はありません。
(中略)
優れたアフィリエイト サイトは、有意義なコンテンツや機能を提供することで付加価値を付けています。たとえば、価格、独自の商品レビュー、厳格なテストと評価、商品やカテゴリのナビゲーション、商品の比較などに関する追加情報を提供しています。
Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル
公式サイトや Amazon から商品概要を引用し、Twitter など SNS で口コミを集めただけの記事では何の価値も生み出していない。ユーザーにとってもメリットはなく、検索上位に入るのは難しくなってしまう。
また、何よりも「この商品は本当に良いものだから掛け値なしでおすすめしたい」という熱量がなければ、ユーザーには何も響かない。
前述のとおり Do クエリを狙う=商品をほしいと思っている人に向けて記事を書くのだから、その商品がほしくなるよう誘導しなくてもよい。あなたがすべきなのは、その商品やサービスを使い倒して、メリットもデメリットも余すところなく全力で伝えることだ。
商品・サービスの紹介記事から何も売れないのであれば、テクニックが不足しているのではなく、熱量が伝わっていないと捉えよう。言い換えれば、ユーザーの感情を 1 ミリも動かしていないということだ。
アフィリエイトブログで扱う記事ネタ例
ほしいと思っている人に対してどのように記事を書けばよいのか、具体例を見てみよう。以下の 3 つを取り上げる。
- 読書感想(書籍レビュー)
- 商品レビュー
- サービス紹介
読書感想(書籍レビュー)
キーワード例 | 「〇〇〇(書籍名) レビュー」 |
---|---|
記事内容 | 本を読むことによって得られた知識や感銘を受けた部分を共有する |
書籍レビュー記事は、学んだことをアウトプットして頭の中を整理するのにも役立つ。内容をきちんと理解していなければ言語化できないため、ときには何度か読み返す必要があるだろう。そのたびに知識が定着し、さらにアフィリエイトで報酬を得られるから一石二鳥だ。
記事を書くときに気をつけてほしい点は 2 つある。
あらすじを知りたいというユーザーもいるが、記事本文のほとんどが引用になっていると「内容の薄いアフィリエイトページ」になってしまう。レビューするなら、その本を読んで得られる未来を伝えよう。たとえばブログ関連の書籍なら、「この本が手元にあれば WordPress ブログを立ち上げて月に 10,000 円稼げる仕組みも作れる」という具合だ。
写真に関しては、たとえ著作権に触れる使い方でも、よほど悪質でないかぎり宣伝目的として黙認されるケースが多い。ただし、表紙に芸能人が使われている場合、著作権以外にも肖像権が発生する。そのままアイキャッチ画像などで使ってしまうとアウトになる可能性があるから注意してほしい。
Amazon や楽天で生成できる画像リンクは、宣伝のために使う許可を得ているからそのまま使って問題ない。アイキャッチには書籍の画像を載せず、記事内で見せるときはアフィリエイトリンクを掲載するのが安全だ。
以下の「ポチらせる文章術」は、Amazon アソシエイトで生成した画像リンク(ステップアップしたい全ブロガーにおすすめする)。
商品レビュー
キーワード例 | 「〇〇〇(商品名) レビュー」 |
---|---|
記事内容 | 商品を使い込んで、メリットやデメリットを余すところなく伝える |
商品レビューは、最初に書くアフィリエイト記事としておすすめだ。
ブログ運営をテーマとしているならパソコンやキーボードなど目の前にある製品をいくらでも紹介できるし、家事・育児をテーマとしているなら時短グッズや便利グッズが数え切れないほどある。
商品レビュー記事は、以下の 2 点に気をつけよう。
ユーザーがなぜ公式サイトや通販サイト以外に情報を探しているのか、考えてみてほしい。ただスペックやきれいな商品画像を知りたいのではなく、自分の環境に近い人が使っているところを見たいのだ。つまり、商品を買ったあとの未来を知りたくてレビューを探している。
たとえばあなたが Web カメラを購入したのであれば、Zoom で相手にどのように映るのか気になったかもしれない。それと同じことを知りたいユーザーはたくさんいるから、Zoom を通したキャプチャ画像を記事に載せれば性能の善し悪しを伝えられるだろう。
「200 万画素できれいに映ります」という文章だけでは、何も伝わらない。整形加工された公式サイトの商品画像でも伝わらない。求められているのは、実際に使用しているリアルな感想だ。
これから製品を購入するなら、開封時点からすべて写真を撮るクセをつけておこう。スマホのカメラでまったく問題ないが、明るさだけは気をつけること。自然な日光がベストだが、無理な場合は照明を工夫しよう。
なお、日本ではまだ導入されていないが、Google は「プロダクトレビューアップデート」を何度か実施している。いずれ日本でも展開されると思われるから、レビュー記事を書いているなら一読しておきたい。
Google の商品レビューに関するアップデートについてクリエイターが知っておくべきこと | Google 検索セントラル ブログ
商品レビューに関してはガジェットショットさんの記事がとても参考になるので、ぜひ読んでほしい。
サービス紹介
キーワード例 | 「〇〇〇(サービス名) レビュー」 |
---|---|
記事内容 | サービスを利用して、メリットやデメリットを余すところなく伝える |
サービス紹介はブログと相性が良く、商品レビューのアフィリエイトより報酬単価が高い傾向にある。
Amazon で 200,000 円の商品を買ってもらっても、アフィリエイト報酬は 1,000 円にしかならない。ASP アフィリエイトでサービスを紹介すれば、案件によっては無料トライアルだけで 1,000 円の報酬が得られる。転職サービスなどは 10,000 円以上の報酬が設定されていることも珍しくない。
商品やサービスの値段に関わらず、記事を書く労力はどれも同じだ。収益を大きく伸ばしていきたいなら、サービス紹介もぜひ視野に入れてほしい。ただし以下の 2 点は気をつけよう。
商品レビューと同じく、ただ公式サイトの焼き直しをしたような記事は求められていない。実際に使ってみて、わかりやすいところ・わかりにくいところを素直に伝えるのがベスト。
引越や不用品回収のようなオフラインサービスは、許可をとって作業風景を写真に収めておこう。オンラインサービスであれば、都度スクリーンショットで画像を残しておくとよい。商品レビューもそうだが、画像の情報量は文章の何百倍にもなる。
「利用して本当に良かった」をきちんと伝えるためにも、画像は多めに残しておくことをおすすめする。動画のほうがより伝わるなら、動画も撮影しておこう。
アフィリエイト記事タイトルの付け方
具体例を 3 つ紹介したが、どの内容を扱う場合でも記事タイトルの付け方は共通している。
Do クエリを狙う記事では、誇張する必要はなく、シンプルに製品名をそのまま記事タイトルに入れてほしい。検索ボリュームだけを考えて、曖昧なタイトルにするのは NG だ。
ロジクール製の「M575S」をレビューする場合の記事タイトルは、以下のようなイメージになる。
NG 例 | ロジクールのトラックボールを買ってみた |
OK 例 | 【レビュー】ロジクール「ERGO M575Sワイヤレス トラックボール」 |
製品の特徴を入れるなら、一つだけに絞ろう。この場合は、だれに向けておすすめなのかより明確にしておくとよい。何でもかんでも入れてしまうと、主張がボケてだれにも伝わらないタイトルになってしまう。
アレンジ例 1 | 腱鞘炎に悩むブロガーにおすすめ!ロジクール「ERGO M575Sワイヤレス トラックボール」レビュー |
アレンジ例 2 | 狭い机でも困らない!ロジクール「ERGO M575Sワイヤレス トラックボール」レビュー |
記事タイトルの付け方に正解はないが、迷ったときはシンプルにするのがおすすめだ。その他のノウハウは以下の記事で詳細に解説している。
ブログアフィリエイト初級編まとめ
どのような商品・サービスを紹介するにしても、「だれ」に伝えるかが重要だ。不特定多数の大勢ではなく、商品やサービスを購入する前の自分に伝える気持ちで書いてみてほしい。そうすると、あなたと同じような環境のユーザーにきっと響く。
実際に使ったレビュー記事をきちんと書けるようになったら、次はブラッシュアップのために撮影テクニックを覚えたり、集客のためにキーワードを考えたり、とやることはたくさん出てくる。
文章を書くだけ / 他サイトに書いてあることをまとめるだけでは、ブログアフィリエイトで稼げない。一気にゴールにたどり着くことはできないから、一歩ずつ前進していこう。
ブログ収益化はアフィリエイト以外も選択肢があるので、自分に合った手法を試してほしい。以下の記事で詳細に解説している。
ブログ初心者におすすめの収益化方法はどれ?種類と仕組みを徹底解説
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。
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