あなたは Web サイトを閲覧するとき、何らかの方法で広告をブロックしているだろうか。
Chrome や Firefox など主要なブラウザは悪質な広告のみブロックしてくれるが、Google AdSense や ASP アフィリエイトなど一般的な広告はそのまま表示される。
通常の広告をブロックする手軽な方法は、「AdBlock Plus」や「uBlock Origin」といったブラウザ拡張機能の利用だ。これにより快適に Web サイトを見て回れるが、ブロガーにとっては他にもメリットがある。
とくに、Google AdSense を導入して間もない時期は利用を強くおすすめする。
目次
ブロガーが広告ブロック拡張機能を使うべき理由
広告ブロック用のブラウザ拡張機能をおすすめする理由は 4 つある。
それぞれ具体的に見ていこう。
アフィリエイトリンクが消えていないかチェックする
ブラウザ拡張機能を ON にした状態でどのようなタイプの広告がブロックされるか、実際に試してみないとわからない。
以下は、Amazon アソシエイトの「バナーリンク」と「テキストリンク」を入れた WordPress の下書きだ。このままプレビューするとどうなるだろうか。

広告ブロック機能が OFF になっていると、以下のとおり問題なく表示される。

広告ブロック機能を ON にすると、バナーリンクのみ消えた。

拡張機能によってブロックの精度に多少の違いはあるが、他の ASP アフィリエイト広告でもバナーリンク(画像)はブロックされるケースが多い。
ブロック機能を使っているユーザーがどれほどいるかわからないものの、バナー広告だけではなくテキスト広告も入れたほうがよい、ということがわかる。PV 数に対して広告のインプレッション数やクリック数が極端に低いなら、一度チェックしてみてほしい。
せっかく有用な商品レビュー記事を書いても、広告リンクが消えていたら永遠に成果は発生しない。
広告ではない要素も消えていないかチェックする
広告ブロック機能は、ドメインや URL をもとにそれが広告かどうかを判定する。ここで気をつけてほしいのは、画像のファイル名だ。
ブロック機能を ON にして当サイトの「ブログ収益化」カテゴリーページにアクセスすると、一部記事のアイキャッチが表示されていない。

これは、画像のファイル名に「google-adsense」という文字列が含まれているのが原因だ。その記事は、アイキャッチ以外にも数点の画像がブロックされている。
Google AdSense NG集|絶対に覚えておきたい規約違反事項一覧
ファイル名のほか、class 名なども判定要素となっている。
.ad-content
のような広告と思わしき class をつけた要素は、それが広告ではなくてもブロックされる可能性が高い。id や class に「ad」や「ads」を使わないようにしよう。
<p class="ad-content">ここは通常の段落です。広告は入れていません…</p>
Google AdSense の無効なトラフィックを防止する
Google AdSense では、自分のブログに掲載した広告を自分でクリックすることは重大な違反となる。故意に何度もクリックすると、広告配信停止やアカウント無効化になってしまう。
クリックだけではなくインプレッションも対象となっているから注意してほしい。
無効なトラフィックとは、広告主様の費用やサイト運営者様の収益を作為的に増やす可能性のあるクリックやインプレッションのことです。無効なトラフィックには、意図的な不正トラフィックや偶発的クリックが含まれます。
無効なトラフィックの定義 – Google AdSense ヘルプ
下書きのプレビューなど管理者しかアクセスできない URL で広告を何度も表示すると、無効なトラフィックとみなされやすい。
プラグインなどでログイン時は AdSense を非表示にすることもできるが、広告ブロック機能を ON にしておくほうが簡単だ。
初回審査通過後すぐ広告配信停止になった場合、運営者自身のアクセスが原因になっているかもしれない。まだ停止されていなかったとしても、今のうちに対策しておこう。
アクセス解析から自分を除外する
広告ブロックを ON にすると、タグ設置型のアクセス解析もブロックする。
WordPress でよく使われている Jetpack 統計情報や Google アナリティクスをブロックするため、わざわざ除外設定しなくても簡単に管理者(自分)のアクセスを除外できるということ。
テーマやプラグインに「ログインしている状態でアクセスすると除外する」機能はあるが、ログアウトすると通常どおりカウントされてしまう。Google アナリティクスの除外設定がうまくいかないときも試してみてほしい。
言い方を変えれば、広告ブロック機能を使っているユーザーのアクセスは解析できないことになる。完璧に回避する方法はないため、アクセス解析の数値が必ずしも正しいわけではない、という点だけ覚えておこう。
AdBlock Plus の使い方
AdBlock Plus は、公式サイトからブラウザ拡張機能をインストールできる。検索で直接探しても OK。

Adblock Plus | The world’s #1 free ad blocker
ブラウザ右上のアイコン「ABP」が赤く表示されていれば、有効になっている。

サイトまたはページ単位でブロック機能の ON / OFF を切り替えたいときは、アイコンをクリックして設定しよう。

AdBlock Plus フィルター追加
AdBlock Plus は、「どんな広告をブロックするか」というフィルターを追加する機能がある。自分で作成できるが、公開されているフィルターを使うのが簡単だ。
日本向けでは「豆腐フィルタ」が有名なので、追加しておこう。GitHub にアクセスし「フィルタを購読する」をクリックするだけで OK。

uBlock Origin の使い方
uBlock Origin も、公式サイトまたは検索で直接探してインストールできる。

使い方は AdBlock Plus と同じだ。ON / OFF を切り替えたいときはアイコンをクリックする。

uBlock Origin フィルター追加
uBlock Origin は、デフォルトのままでも AdBlock Plus よりブロック精度が高い。
個人的にフィルターを追加しなくても問題なかったが、先ほど紹介した豆腐フィルタも使えるので、よりブロック精度を高めたいなら追加しておこう。
AdBlock Plus より軽量かつ高性能のため、これから導入するなら uBlock Origin をおすすめする。
注意:WordPress の動作に影響する場合がある
広告ブロック拡張機能を使うとき、一つだけ注意点がある。WordPress を使っている場合、テーマまたはプラグインによっては動作に悪影響を及ぼすことがある、という点だ。
たとえば無料テーマ「Cocoon」は、管理画面でエラー表示が出るとの報告が寄せられている。実際に同じ症状を確認できているので、不具合が出たときは広告ブロックを OFF にしてみよう。
まとめ
最近では、広告ブロック機能を搭載したブラウザ Brave のユーザー数が増加している。それほど広告を疎ましいと感じているユーザーが多いということだ。
ブログの収益を最大化することだけを考え、あちこちに広告を設置するのはやめたほうがよい。アフィリエイトメインなら、本当に必要としている人にだけ商品を勧めよう。Google AdSense メインならシンプルな配置をおすすめする。
広告をブロックされていてもブログの表示に問題ないか、ぜひチェックしてみてほしい。
記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真
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