ブログのアクセス数を伸ばす有効な方法の一つは、良質な被リンクを増やすことだ。

しかし、「ただリンクを集めれば効果がある」というものではない。なかには、ほとんど意味のない被リンクを増やすことに時間を割いている初心者ブロガーもいる。知らないうちにペナルティになっているブログもある。

どのような被リンクなら効果があるのか、やってはいけない施策とは何か、本記事で詳しく解説していく。

被リンクの種類

「被リンク」とは、他のページからリンクされる、という意味。対して、他のページにリンクすることを「発リンク」と呼ぶ。

以下のように、自分のブログ内でリンクする場合は「内部発リンク」「内部被リンク」となる。

内部発リンク・内部被リンク

違うサイト(ドメイン)のリンクは「外部発リンク」「外部被リンク」だ。

外部発リンク・外部被リンク

SEO におけるリンクの種類

発リンクのさい、検索エンジンにリンクの関係性を伝えることができる。

指定意味
sponsored広告・有料リンク
ugcコメント・フォーラムからのリンク
nofollowsponsored や ugc 以外にクロールさせたくないリンク
dofollow通常のリンク(特別な指定はない)

もともとは「nofollow」のみだったが、Google が 2019 年に「sponsored」「ugc」のサポートを開始した。リンクの関係性をより明確に認識するためだ。Bing も 2020 年からサポートしている。

検索エンジンは、基本的に「sponsored」「ugc」「nofollow」がついているリンクをたどらない(クロールしない)。つまり、この 3 つのいずれかが指定されている場合、検索順位に直接影響を及ぼさないと覚えておいてよい。

検索順位に直接影響しないリンク

<a href="https://example.com" rel="nofollow">リンク</a>

検索順位に直接影響するリンク

<a href="https://example.com">リンク</a>

WordPress にはリンクの関係性を指定する機能はないので、HTML で直接編集する形になる。HTML が不得手であれば SEO 系プラグインの導入がおすすめ。「sponsored」「nofollow」を簡単に指定できるようになる。

以下は Rank Math SEO の例。

WordPressでリンクのrel属性を変更する

ブログでは、以下の場合に「sponsored」「nofollow」をつけておこう。

  • アフィリエイトリンク
  • 企業から物品やサービスを提供されて書くレビュー記事のリンク
  • 何らかの見返りを求める企画記事のリンク

きちんと指定しておかないと、発リンク側も被リンク側もペナルティを受ける可能性がある。

被リンクを増やすメリット

Google や Bing などの検索サイトでは相対的に順位が決められる。今でこそ順位決定要素はたくさんあるが、もともとは「被リンクが多いサイトには価値がある」というシンプルな考え方でスタートした。

人気投票のようなもので、「様々なサイトから支持されている(リンクされている)=価値の高いサイト」ということだ。

しかし、シンプルすぎるがゆえ、スパムで容易に攻略できてしまうという弱点があった。そこで Google は「ペンギンアップデート」と呼ばれるリンクスパム対策を行い、多数のサイトを一気に落とした。

現在もリンクスパム対策は積極的に行われており、ただ被リンクを増やすだけでは意味がなくなっている。場合によってはペナルティが課せられ、順位を上げるどころかインデックスすらされないので注意してほしい。

Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。

リンクスパム | Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル

とは言っても、今でも被リンクは検索順位決定において重要な要素だ。たとえ検索順位に影響しなくても、リンクがあればそれだけアクセス数の増加につながる。

いかに良質な被リンクを増やすかは、ブログ運営において重要な施策だと覚えておこう。

個人ブログで良質な被リンクを獲得する方法

個人ブログで良質な被リンクを獲得する方法は、次の 4 つだ。

  1. リンクしたくなる情報を提供する
  2. 図解・インフォグラフィックを提供する
  3. サービス・ツールを提供する
  4. オンライン・オフラインで交流する

01. リンクしたくなる情報を提供する

自然な被リンクを獲得するには、リンクしたくなる情報の提供が欠かせない。あなたはどういうときに他サイトにリンクするか、考えてみよう。それと同じことをすれば、だれかがリンクしてくれる。

  • 調査に手間がかかる統計情報
  • 自ら集めたアンケート結果
  • その道の専門家だから発信できる情報
  • どこよりも速い情報

上記のような「一次情報」を提供できれば、リンクは自然と集まる。当サイトでは、以下のリンク色に関する記事がそれだ。

逆に言うと、ネットでちょっと調べたような情報や、発信元があいまいで信頼性が低い情報ばかりだと被リンクは望めない。価値ある情報を提供していこう。

02. 図解・インフォグラフィックを提供する

わかりやすい図解やインフォグラフィックを提供すると、引用で使われるケースが多くなり自然な被リンク獲得につながる。

余裕があればデザイナーに発注してクオリティの高い画像を作成するのがベストだが、まずは簡単なものを作ってみよう。当サイトの AdSense 記事にある「アドセンスNG集:レイアウト編」のような画像で十分だ。

Photoshop などプロユースのツールではなく、Canva のような無料デザインツールでもクオリティの高い画像を作れる。

リンクなしで転載されるケースも多いので、もし自分の画像が勝手に使われていたら、「自由に使っていいがリンクはしてほしい」旨を伝えるとよい。

03. サービス・ツールを提供する

サービスやツールの提供も、リンク獲得に有効な手法だ。

プログラミングの知識がなくても、ノーコード / ローコード開発できるツールはたくさんあるし、特定の WordPress テーマを使い倒しているならサポートサービスを提供することもできるだろう。

当サイトで提供しているブログ診断無料サービスも、一定の需要がある。

ツール自体にリンクを埋め込む形をとる場合、nofollow をつけておかないとリンクスパムになってしまうので注意しよう。

04. オンライン・オフラインで交流する

企業であれば、他サイトに営業して被リンク獲得につなげる方法もある。もちろん個人ブログでも営業できるが、抵抗があると思う。

かと言って、ブログの存在が知られていなければ被リンクを増やすのは難しいため、営業ではなく「交流」して認知度を広げていくのがおすすめ。

Twitter など SNS で積極的に交流するのでも十分だし、機会があればオフ会にも参加してみてほしい。リンクをお願いする必要はなく、自分とブログの存在を知ってもらうことに努めよう。

なお、SNS からの被リンクは nofollow がついているため、検索順位に直接影響しない。SNS を見たブロガーがリンクしてくれる、シェアが拡散して Google Discover に掲載される、といった間接的な影響が見込めるので、ぜひ活用してほしい。

効果が見込めない NG 施策

SEO ではまったく効果がないリンク、スパムと判定される形のリンクも多数ある。そうしたリンク獲得に時間をかけるぐらいなら、記事を一本でも書いたほうがよい。

以下は効果が見込めないリンクの代表例だ。

  1. 過剰な相互リンク
  2. リンク企画への参加
  3. 関係性を明示しない有料リンク
  4. だれでも簡単にできる自作自演のリンク ペライチ 知恵袋

01. 過剰な相互リンク

SNS での交流などを通して、ブロガー同士が相互リンクするのはまったく問題ない。

ただし、お互いの関連性が低ければ検索評価はプラスにならないし、検索順位を上げるためだけに過剰な相互リンクをするのはペナルティリスクがあるので注意しよう。

ファールラインを探るのは難しいが、「これは読者にとって必要なリンクか」で考えるのが一番だ。

02. リンク企画への参加

SNS やフォーラムでは、ブロガーを対象としたリンク企画がよく行われている。

もし何らかの見返りが必要とされる企画なら(Twitter フォロー必須など)、参加しないほうがよいだろう。とくに「ドメインパワーが強いブログからリンクします!」のような甘い言葉に惑わされないでほしい。それが意味のない行為であることは、15 年以上前のリンクスパム対策で実証されている。

相互リンクと同じく、関連性が低ければ評価されないし、内容によってはペナルティにもなり得る。

03. 関係性を明示しない有料リンク

お金を払ってリンクしてもらう「有料リンク」の利用自体は問題ないが、もし nofollow がついていなければスパムとしてペナルティ対象になる。

ココナラなどで個人ブログでも利用できる被リンクサービスがいくつか見つかるが、利用はおすすめしない。

ココナラ 有料リンク

まったく関係のない海外サイトから被リンクをあてられ、ペナルティを課せられて検索順位が大幅に低下するリスクがある。

もしそうなってしまうと、復旧させるのは容易ではない。被リンクはすべて外してもらうか否認する必要があり、それでも完全回復するのは早くても数ヶ月かかる。ドメインごと捨てたほうがマシなぐらいだ。

04. だれでも簡単にできる自作自演のリンク

ブログの被リンクについて調べたことがあるなら、以下のようなサービスの利用が推奨されているのを目にしたと思う。

こうした被リンクは、nofollow の有無に関わらずほとんど意味がない。だれもが思いつく簡単な施策で検索順位が上がることはないのだから、もっと有益なことに時間を使おう。

なお、SEO では意味のない被リンクでも、パワーランクチェックツールで提供されているようなドメインスコア(ドメインパワー)はプラスになる。

第三者が提供しているドメインパワーのスコアは、Google や Bing の評価とはまったく関係ない。実際の検索評価には何の影響もしないところでがんばるより、新しい記事を一本書いたほうがよほど効果的だ。

被リンク獲得に関するまとめ

良質な被リンクを増やすのは、そう簡単なことではない。

リンクしたいと思えるほど質の高い情報を提供するのは大前提だから、上辺だけの施策に取り組むのではなく、しっかりと土台を固めることを最優先すべきだ。

また、被リンクを獲得したいなら、自らも積極的に外部サイトへリンクしてほしい。「自分だけよければ」という考え方ではうまくいかないので、ユーザーにも他のブロガーにもメリットのある形を考えていこう。

Reinx 記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。

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