本記事のポイント
  • PV(ページビュー)数を伸ばすのが何より重要
  • 掲載位置や広告サイズは検証しながら改善していく
  • 楽しみながらブログ運営を継続すべき

Google AdSense は、ブログの収益化に最適なサービスの一つだ。運営者が広告を選定する手間を省いてくれ、記事の内容やユーザー行動に合わせて最適な広告を表示してくれる。収益化ノウハウを持たないブログ初心者でも「広告を貼って記事を書くだけ」なのだから、使わない手はない。

しかし、Google AdSense でそれなりに稼ごうと思うなら、ただ広告を設置する以外にやるべきことがいくつかある。

本記事では、アドセンス収益を伸ばすためのテクニックやコツを紹介してるので、ぜひ参考にしてほしい。

Google AdSense で稼ぐには PV 数が必要

具体的な話に移る前に、何より重要なことを伝えておく。「PV 数を増やさなければ話にならない」という点だ。これがすべてと言っても過言ではない。

なぜ PV 数(≒アクセス数)が重要なのだろうか。

Google AdSense 収益の計算式

アドセンス収益は、以下の計算式で決まる。

収益 = 表示回数 × クリック単価 × クリック率

広告をクリックしてくれるユーザーが多いほど収益は増える(クリック率)。同様に、単価が高いほど収益は増える(クリック単価)。残念ながら、どちらも際限なく引き上げるのは不可能だ。

クリック単価は掲載位置やジャンルによって変動するが、どんなにがんばっても平均単価の桁が変わるということはない。平均単価 10 円を 30 円に上げられるかどうか、というレベルである。

クリック率においても、100 %クリックされるということはあり得ない。1 %のクリック率を 1.5 %に上げられれば良いほうだろう。実践してみるとわかるが、この引き上げもそう簡単なものではない。

対して、理論上「表示回数(≒ PV 数)」には上限がない。ブログ初心者でも 100 PV を 10,000 PV にすることは十分可能であり、収益を何百倍に上げることができる。

要素伸び率
表示回数上限なし
クリック単価数倍程度
クリック率最大 2 倍程度

収益は掛け算で決まるゆえ、いずれかの要素が 2 倍になれば収益も 2 倍になる。クリック単価やクリック率には上限があるので、大きく稼ぎたいなら PV 数を伸ばすことが重要と覚えておこう。

ブログ初心者が目指すべき PV 数

具体的にどのくらい PV 数があればよいのだろうか。

日本での収益支払い基準額は 8,000 円(2023 年現在)となっていることから、まずは「毎月の入金」を目標とするのがおすすめだ。

お支払い基準額 – AdSense ヘルプ

先ほどの計算式をもっと簡単にしてみよう。

収益 = 1 PV あたりの収益 × PV 数

「1 PV あたりの収益」を計算すると、ほぼ 0.1 ~ 1 円に収まる。雑記ブログであれば 0.2 ~ 0.3 円前後に落ち着くことが多い。

したがって、ざっくり 30,000 ~ 40,000 PV が目指すべき月間アクセス数となる。

1PV あたりの収益月 8,000 円に必要な PV 数
0.1 円80,000
0.2 円40,000
0.3 円26,666
0.4 円20,000
0.5 円16,000

上の表を見ていただくとわかるように、Google AdSense で稼ぐコツは次の 2 つに集約される。

  • いかに 1 PV あたりの収益を伸ばすか(上限あり)
  • いかに PV 数を増やすか(上限なし)

この 2 つをどうやって伸ばすか、具体的な対策を見ていこう。

Google AdSense 収益を伸ばす 10 のアドバイス

#1 ガイドライン・規約をしっかり読む

Google AdSense に申請するときも審査にパスしたあとも、公式ヘルプを読んでいない運営者はかなりいる。

ブログの状態は Google から常にチェックされており、規約・ポリシーの違反が見つかると広告が停止されてしまう。「やってはいけないこと」がきちんと明記されているので、必ず目を通しておこう。

以下の記事では、ブログ初心者向けにポイントをまとめてあるので、最初に読んでおくことをおすすめする。

規約に同意した上で申請しているのだから、「知らなかった」では済まされない。もしアカウントが停止されると、収益を伸ばすどころかゼロになってしまう。最悪の場合、二度とアドセンスが使えなくなる。

公式ヘルプには収益を伸ばすためのヒントも多数記載されているので、しっかり読んでおきたい。

サイトおよび広告の最適化のヒント – Google AdSense ヘルプ

#2 誤クリックに注意する

Google AdSense の広告は、ユーザー(読者)が興味・関心を抱き自らの意思でクリックするものだ。これに反し、ユーザーが意図せず広告をクリックしてしまう状態になっていると、「無効なクリック」とみなされ収益が減額される。

無効なクリックが多数認められれば広告停止になる可能性があり、アカウント停止に至る可能性も否めない。

無効なトラフィックやポリシー違反によりアカウントが停止した場合の対処法 – Google AdSense ヘルプ

誤クリックを防ぐ施策は次のとおりだ。

  • それが広告だとハッキリ認識できる状態にしておく
  • ページの表示速度を改善する

スマホで自分のブログをチェックしているときに「うっかり」広告をタップしてしまった経験があるだろうか。そうであれば、ユーザーも同じように誤タップするかもしれない。

表示速度を含むページエクスペリエンスの改善は検索評価にもつながるため、広告があってもストレスなく読めるブログにしていこう。

なお、広告はクリックだけでなくインプレッション(表示)も監視対象となる。ブログを始めたばかりならアクセス数の大半はあなた自身のはずだ。あなたが何度も広告を表示している=無効なトラフィックとなるから、自分のブログをチェックするときは広告ブロックしておこう。

#3 SNS からのアクセスに頼らない

ブログ運営初期は検索からのアクセスが少なく、ランキングサイトや SNS からの流入が多くなる。

Twitter を活用している個人ブロガーはたくさんいるが、残念ながら Google AdSense と Twitter の相性はあまり良くない。なぜなら「無効なトラフィック・クリックが増加しやすい」からだ。

厄介なことに、悪意のあるクリック(いわゆるアドセンス狩り)だけではなく、善意のクリックも含まれる。そのブログを応援する、という意味で広告をクリックしているのだ。

Twitter でたまに見かけるが、絶対にやってはいけない

Google 広告は、ブログ運営者のためだけにあるのではない。お金を出しているのは広告主であって、応援クリックはその広告主に迷惑をかける行為だと自覚するべきだ。規約には以下のとおり明記されている。

Google 広告のクリックはユーザーの純粋な興味のもとで行われる必要があり、AdSense プログラム ポリシーでは、クリック数やインプレッション数を作為的に増やすいかなる行為も固く禁止されています。お客様のアカウントで無効なトラフィックが多数検出された場合、広告主様とユーザーを保護するために、アカウントを停止または無効化させていただく場合があります。

無効なトラフィックの定義 – Google AdSense ヘルプ

善意であっても無効なトラフィックと認められれば広告停止につながる。全体的なアクセス数が少ないうちに Twitter で過度に宣伝するのは控えたほうがよいだろう。

#4 検索サイトからのアクセス数を伸ばす

先に触れたとおり、Google AdSense の収益を大きく伸ばすには PV 数を伸ばすのが一番の施策だ。SNS 経由の無効なトラフィックを考えると、検索サイトからのアクセス数を中心に伸ばしていくのがベストと言える。

これは一朝一夕で成せることではなく、今日まで 10 PV だったブログが明日は 100 万 PV になる、ということはない。徐々にステップアップして地道にブログを育てていこう。

検索流入を伸ばす「SEO」は、やるべきことがたくさんある。しかし、突き詰めていけばシンプルだ。

  • 「検索する人は何を知りたいのか」を考える
  • 「その人はどんな言葉で検索するか」を探る

画面の向こう側にいるユーザーを意識するのは何より重要だ。詳細は以下の記事で解説している。

#5 体験談を織り込んだオリジナリティの高い記事を書く

検索サイトは、世界中のありとあらゆるサイトを巡回して情報を収集している。ユーザーが自分の知りたい情報を検索窓に入力する(=キーワード)と、それに対する的確な答えをその収集した情報から瞬時に提示している。

Google 検索の仕組み(入門向け) | Google 検索セントラル  |  Google Developers

自分のブログを答えの一つとして提示してほしいなら、他のサイトにはないオリジナリティの高い情報を出さなければならない。検索すればわかるような、ありきたりな記事を書いても検索結果に表示されないと思ってほしい。

オリジナリティの高い記事にするために、自らの体験や考察を含めるべきだ(個人的に、もともとブログはそういうものだと思っている)。

  • あなたにしか出せない情報
  • あなただから出せる情報

この 2 つの柱を軸にして検索流入を増やしていこう。

#6 過去記事のリライトを積極的に行う

まだブログに数記事しかないのであれば、新しい記事をどんどん公開していったほうがよい。たった数記事では、あなたのブログがどのような情報を出しており、どれくらいの価値があるものか、ユーザーも検索サイトも判断できないからだ。

記事数が 50・100 と増えてきたら、過去記事の改善も行っていこう。

100 記事も書けば、最初のほうに書いた記事がいかに下手か実感できるはずだ。それほど成長している証と考え、ダメなところを見つけたら積極的に修正していくとよい。

  • 読みづらい・伝わりづらい箇所はないか
  • 検索ユーザーの求める答えとズレていないか

この改善にはゴールはない。あなたのレベルはどんどん上がっていくし、検索需要も時代によって少しずつ変化していくからだ。

ブログの運営期間が長くなれば、新記事を公開するより過去記事修正に力を入れたほうがアクセス数が伸びやすいかもしれない。一人で運営しているならバランスが難しいところだが、定期的にリライトする時間はとるようにしてほしい。

#7 目立つ位置に広告を掲載する

表示回数(≒ PV 数)だけではなく、クリック単価やクリック率も伸ばしていきたいなら、広告掲載位置を見直すのがおすすめだ。

施策はいろいろあるものの、以下の 2 つを意識するだけでかなり改善する。

  • 目につきやすいところに広告を配置する
  • サイズが大きい広告を表示する

ブログ全体のデザインに関わってくるところであり、どのブログ・どのデザインにも絶対的に通用する完璧な配置はない。スマホユーザーが多いのか、PC ユーザーが多いのかでも変わってくる部分だ。

まずは競合サイトの真似から始めてみて、そこから掲載位置やサイズを変更してテストしていくのがよいだろう。そのさい、PC だけではなくスマホの表示もチェックしておこう。代表的な例は下表のとおり。

だいたいの位置具体的な位置
ファーストビュー付近(スクロールせず見えるところ)・記事タイトルの上下
・サイドバー上部
少しスクロールして見えるところ・1 つ目の見出しの上
メインコンテンツの下・記事の最後
・SNS シェアボタンの上下
・コメント欄上下

記事を読むのを邪魔するような配置、ユーザビリティを損なう配置は逆効果で、検索評価を大きく下げることにもなりかねないため、注意が必要だ。

サイドバーに追尾型広告を設置するとクリック単価が高くなる傾向にあるが、これは運営者の考えや好みが出てくるところなので強制はしない。アドセンスで稼ぎたいという欲が強すぎるとバランスが崩れてしまうから、ユーザーファーストは忘れないようにしよう。

#8 クリック単価の高いジャンルを狙う

クリック単価は、扱うジャンルによっても変動する。広告主は売上を伸ばすために広告を出しており、需要の高いジャンル・利益率の高いジャンルほど広告費用も高めになるのだ。保険や金融といったジャンルは代表的な例だろう。

Google AdSense の広告は、基本的にブログ記事の内容に合わせて最適なものが表示される。カードローンについて書いた記事なら、カードローン系の広告が表示される確率が上がる、と考えてよい。

「広告費用が高い=クリック単価が高い」ため、ジャンルによっては 1 PV あたりの収益が 1 円以上になることも珍しくない。

クリック単価の高いジャンルを狙って記事を書けばそれだけ報酬も上がりやすくなるが、これがかなり難しいところだ。単価の高さと競合の強さはある程度比例するため、検索上位に入るのが厳しくなってくる。とくに YMYL 領域で個人ブロガーが勝つのは絶望的と考えてほしい。

初心者は、クリック単価が低くても上位を狙いやすいジャンルをおすすめする。ブログ運営に慣れてきてから高単価のジャンルにチャレンジしてみよう。雑記ブログなら、単価の高いカテゴリーを少しずつ増やしていくのもありだ。

#9 様々な角度から分析する

Google AdSense の収益を伸ばしていくには、ただ広告を配置して記事を書くのではなく、分析に基づいた改善も必要になってくる。

最低でも次の 2 つは定期的なチェックをおすすめする。

  • 広告ユニット(掲載位置)ごとの数値
  • ページ単位の数値

広告ユニットごとの数値は、Google AdSense 管理画面の「レポート」にある「広告ユニット」でチェックできる。それぞれの位置ごとに広告ユニットを作成していないとチェックできないので、1 つのユニットを複数箇所に配置しているなら今のうちに作り直しておこう。

他のユニットと比べて数値が低いユニットがあれば、掲載位置を変更してテストを繰り返していく。

Google AdSense広告ユニットレポート

ページ単位の数値は、Google アナリティクス(UA)の「パブリッシャーのページ」でチェックできる。アナリティクスと AdSense の連携設定が必要なので、未設定の場合はこの機会に連携しておこう。

収益性の高いページがあれば、関連記事を増やしたり内部リンクを集中させたり、といった施策をしていくのがよいだろう。

Googleアナリティクス パブリッシャーのページ

なお、2022 年現在 GA4 と Google AdSense の連携はできない。既に移行している場合は、Google AdSense 管理画面の「レポート」にある「上位のページ」からチェックするしかない。

Google AdSense レポート 上位のページ

毎日の推定収益しか見たことがないのであれば、ぜひ他のレポートもチェックしてみてほしい。

#10 楽しみながら継続する

既に何十万 PV もある場合を除き、Google AdSense 広告を設置していきなり何万円もの収益をたたき出す、というのはほぼ不可能に近い。ブログスタートから間もないのであれば毎日 10 円にもならないはずだ。

理想を高く掲げすぎると途中で挫折しやすいので、まずは毎月の報酬振込を目標に徐々にレベルアップしていこう。継続すればだれでも同じように稼げるわけではない。しかし、収益を伸ばしている方は試行錯誤しながらも継続している。

いろいろな壁にぶつかることがあっても、それを含めて楽しいと思えるのが一番だ。結局は、楽しみながら継続していくのがアドセンスで稼ぐコツ、ブログ運営を成功させる秘訣と言えるだろう。

さいごに

Google AdSense で稼ぐコツをまとめると、以下の 3 点になる。

  • PV 数(とくに検索流入)を伸ばすのが何より重要
  • 分析しながら改善していく
  • 楽しみながらブログ運営を継続する

「明日からやろう」と思っていると、何もしないまま時間だけが過ぎていくかもしれない。今できるところから早速始めてほしい。良い結果が出るよう願っている。

Reinx 記事執筆:Reinx 編集部 瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。ブログ診断無料サービスもご利用ください。

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